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卒業証書授与式 校長式辞

2023年3月1日 12時00分

 はじめに、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、卒業証書授与式がこのような対応になりましたこと、卒業生並びに保護者の皆様をはじめ、関係の方々に御理解と御協力をお願い申し上げます。そのような中、本日、愛媛県立西条農業高等学校の卒業式が挙行できますことは、卒業生をはじめ教職員並びに在校生一同の大きな喜びであります。また、御来賓の皆様には御臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。

 ただ今、卒業証書を授与された六十名の皆さん、御卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様に対しまして、心よりお喜びを申し上げます。

 卒業される皆さんは、令和二年四月に入学されました。入学してすぐに新型コロナウイルス感染拡大のため、緊急事態宣言が全国に拡大する措置を受け、県立学校は一斉臨時休業となり、学校が再開されたのは五月中旬からでした。その後も、総合体育大会の中止や学校行事の縮小や延期、中止などがあり、マスク越しにしか友達と過ごすことができませんでした。二年生では、予定どおりのではなかったものの、時期と場所を変更して修学旅行を実施することはできました。

 そして、三年生になり、新型コロナウイルスの影響の中、卒業生の皆さんは最高学年として、運動会、グループマッチ、西農祭などの学校行事を中心となって、一・二年生を引っ張って、成功に導いてくれました。その中で、自分の進路実現のため、面接や書類作成にも尽力し、進路を決定しました。

 卒業にあたり、生徒会誌『山並』にも書きましたが、校長室の扁額の言葉を贈ります。

『功(こう)は舎(さ)めざるに在(あ)り』です。

 荀子の言葉で、原文は、

 蹞(き)歩(ほ)を積(つ)まざれば、以(も)って千里(せんり)に至(いた)るなし。

 騏驥(きき)も一躍(いちやく)にして十歩(じゅっぽ)なることを能(あた)わず。

 駑馬(どば)も十駕(とが)すればまた之(これ)に及(およ)ぶ。

 功(こう)は舎(さ)めざるにあり。

 意味は、一歩一歩を積まなければ、千里の道を行くことができず。

 足の速い名馬もひと飛びでは、十歩の距離も進めず。

 足の鈍い駄馬も十日の行程を費やせば、名馬の一日の行程に追いつくことができる。

 このようなことができるのは日々に継続して努力するからである。ということです。

 皆さんの今後の進路は、様々ですが、西農の授業や実習、部活動で培った、『『功(こう)は舎(さ)めざるに在(あ)り』の継続と努力で、先の見えない不透明な時代を乗り越えてください。

 卒業生の皆さん、本日まで温かく見守ってきた保護者の皆様、創立以来、本校を育んでいただいた全ての方々への感謝を忘れることなく、自らが強く踏み出してください。そして、本校の校訓「創造」「誠実」「敬愛」の精神で、確固たる自分を築いてもらいたいと願っています。名残は尽きませんが、巣立ちゆく皆さんの御健勝・御多幸と一層の御活躍を心から祈念し、式辞といたします。

                                          令和五年三月一日       

                                   愛媛県立西条農業高等学校長 能田 秀樹

 

3学期始業式 あいさつ

2023年1月10日 11時31分

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 冬休みはどう過ごしましたか。充実した20日間だったと推察します。

 1年の計は元旦にありと言われますが、皆さんは今年の目標を立てましたか。

 今年は、令和5年、癸卯(みずのとう)年です。癸卯には、これまでの努力が花開き、実り始めるという意味があるそうです。ウサギのように耳を長くして、人の話をよく聞き、大きく飛躍する一年になることでしょう。

 さて、西農ホームページにも掲載されていますが、愛媛県立西条農業高等学校のスクールミッション、スクール・ポリシーが策定されました。全部は言いませんが、グラデュエーション・ポリシー、卒業までに育てる力を紹介します。

 〇自ら学び、自ら考えて行動できる力を育成します。(主体性)

 〇他者とのつながりの大切さを理解し、他者と協働できる力を育成します。(協働性)

 〇地域の豊かな未来を主体的に創造する力を育成します。(地域創造)

です。

 卒業や進級を目指して、令和4年度の締めくくりの学期に大きく飛躍してください。

以上であいさつを終わります。

2学期終業式 あいさつ

2022年12月20日 12時00分

みなさん おはようございます。

今日で、2学期が終わります。2学期は、運動会、西農祭、耐久競走歩大会、修学旅行など行事がたくさんあり、3年ぶりのものもありました。どの行事も、みなさんの知恵と工夫で充実したものになりました。

学習のほうはどうでしょうか。2学期の成績を振り返ると、しっかり学習に取り組み、よい成果を上げた人、努力不足や提出物が不十分だったりして、補充学習を受ける人と様々ですが、高校生の本分は学習です。今学期の成績を反省して、3学期は学年末考査・卒業・進級に尽力してください。

部活動においても、バドミントン部の新人大会県3位をはじめ高文祭への参加など、運動部・文化部とも頑張っています。この冬でさらに、身体(からだ)も心も鍛えてください。

最近、各種活動、イベント等で、発表したり新聞やテレビに取材を受ける生徒も多くいます。自分の言葉で西農生として堂々と受け答えをしている姿を見て、安心しています。他の生徒も見習ってほしいと思います。

結びに、みなさんが良い新年を迎えられるよう、しっかり新型コロナウイルス感染防止対策をして、1月10日の始業式に元気にお会いましょう。

以上で、終わります。

2学期始業式あいさつ

2022年8月29日 13時24分

 おはようございます。

 夏休みが終了して、今日から2学期がスタートします。まもなく就職試験も始まり、運動会、修学旅行、耐久競争歩大会などの学校行事等も目白押しです。

 さて、この夏休み中に、皆さんの頑張っている姿を多く見ました。

 商業部の四国大会での団体3位、個人2位、そして、全国大会の個人の佳良賞、インターハイ地区推進委員会のおもてなし活動、農業クラブ各種発表県大会・四国大会での、意見発表、プロジェクト発表での立派な発表と成果、平板測量競技県大会の活動、中学生1日体験入学での生徒の皆さんの中学生への案内や指導など、本当に頼もしく映るとともに、学習の成果を多くの方々に知っていただくことに喜びを感じました。

 それでは、西農生の皆さん、2学期を新たな意味あるスタートにしていきましょう。そして将来の自分をしっかりと見つめる学期にしてください。

 ただし、皆さんも心配しているように、新型コロナウイルスが猛威を振るっています。感染回避行動をとりながら、学校に持ち込まないように気を付けましょう。

 残念ながら縮小する行事、延期する行事もありますが、感染しない、させない行動、対策を本気でやりましょう。

 また辛い思いをしている人を傷つけるようなことがないように、誠実な学校生活を送りましょう。自分の「いのち」も他人の「いのち」も大切にしてください。

 西農生の誠実で、前向きな活動と成果に期待して、2学期の始業式のあいさつとします。

1学期終業式あいさつ

2022年7月20日 11時11分

今日で1学期が終了します。終業式の前に、たくさんの表彰伝達ができて、とてもうれしく思っています。

この夏休みにも、部活動、農業クラブ、家庭クラブなど、多くの大会があります。さらなる高みを目指して、西条農業高校の看板を背負って、尽力してください。くれぐれも、新型コロナウイルスの感染と熱中症には気をつけてください。

さて、今年は、「燃え上れ 我らの闘志 四国の大地へ」の大会スローガンのもと、「インターハイ 躍動の青い力 四国総体2022」が開催されます。残念ながら、本校からの参加者はいませんが、学校推進委員会のメンバーが、PR・広報活動や装飾用の草花栽培でインターハイを盛り上げてきました。

 42年前の昭和55年に55総体が愛媛県で開催された話は、県総体の壮行会で話しましたが、その翌年、偶然家でテレビを見ていて、柔道個人戦の決勝が放送されていて、同じ階級のN高校のS選手が戦っていました。何度か練習をしていて、よく投げられていたので、当然応援していると、体落としで投げられ準優勝でした。今でのその場面を覚えています。今年のインターハイもインハイTVがあると思うので、知っている選手や愛媛県の選手を応援したいと思います。みなさんも、応援してください。

 夏休みは、3年生にとっては、進路実現に向けての大切な時期です。就職希望の人は、応募前見学や企業説明で自分の応募先を決定したり、進学希望者は、オープンキャンパスや学校説明会で、進学先を決定してください。

 1・2年生も、早めに進路希望を確定させ、目標に向けて、計画的に学習や実習、ボランティア活動を行ってください。

明日から夏休みです。命を大切にして(命は一つです)、充実した夏休みにしてください。そして8月29日、2学期始業式で元気にお会いしましょう。

合同総会あいさつ

2022年4月21日 18時08分

 本日は、生徒総会、農業クラブ総会、家庭クラブ総会が行われます。生徒の皆さんは、全員が全ての会に所属します。それぞれの組織には、会の目的があり、年間を通して様々な行事が実施されます。

 今日の総会では、各組織の活動に対する理解を深め、皆さん自身は今年1年間、どのような取組をしたいのか、西農を発展させるためにはどういうことを考えて行動すればよいのか等いろいろと考える時間にしてほしいと思います。

 さて、1年生の皆さん、本校の校訓を知っていますか。教室の前にも掲げられていますが、

「創造」「誠実」「敬愛」です。ホームルームノートの1ページにもその意味が載っています。

しっかり頭に入れておいて、西農生として、校訓を基にした行動をお願いします。

 さらに、「教育目標」は、「羽包む(はくくむ)」から「羽ばたく」そして将来の「羽振り」へ

重点努力目標は「地域に愛され、地域を愛し、地域とともに歩む西農 -100年分の感謝と新たな飛躍―」です。それぞれ、皆さんが大切してしてほしいことが言われています。

 さらに、この学校には「洗心」という石碑や「洗心館」という武道場があります。

 洗心とはどういうことでしょうか。皆さんの心は、洗濯機で洗うことはできません、しかし、授業や実習、部活動などで、しんどいこと嫌なことに耐えて実行する。先生や友人とのコミュニケーションで、心を磨いています。これが洗心になります。

 この後の、合同総会で、さらに、心を磨いて、素晴らしい西農を皆さんで盛り上げてください。昨年度以上の成果を期待しています。 以上であいさつを終わります。

令和4年度入学式式辞

2022年4月8日 14時00分

 武丈の桜も咲き誇り、野山に春の息吹を感じる今日の佳き日、御来賓、保護者の皆様の御臨席を賜り、令和四年度入学式を挙行できますことは、教職員一同の喜びであります。心よりお礼申し上げます。

 ただいま入学を許可しました、九十六名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本校は、大正八年に創立され、百年を超えた、輝かしい歴史と伝統を誇る県下でも屈指の農業高校です。

 本日より、伝統ある本校の生徒として勉強することになりました。

本校の教育目標は、「『羽(は)包(くく)む』から『羽ばたく』そして将来の『羽振り』へ」です。「非連続的」といえるほど急激に変化する社会を生き抜くため、皆さんの能力・適性、興味・関心等に応じた学びを通じて、多様な他者と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となっていくために必要な資質・能力を身につけることが重要です。

 そこで、入学にあたり三つの話をします。

 一つ目は、「自分の夢や目標に向かって努力する」ことです。

 本校に入学したことは、皆さんのゴールではなく、次のステージへのスタートです。皆さんが本校で「何を学び」「何を身につけ」「何ができるようになったか」が大切です。皆さんに求められることは、自ら何をすべきかを考え、自らの責任で判断し、自らの言葉で表現し、物事に積極的に挑戦することです。本校での学びを通して、自分の将来の夢や目標を模索し、その実現に向けてひたむきに努力してください。

 二つ目は、「愛(え)顔(かお)あふれる言動をする」ことです。

 北京冬季オリンピックに出場した、日本の女子カーリングチーム、ロコ・ソラーレの合言葉は「Keep Smile(キープスマイル)」「Stay Positive(ステイポジティブ)」です。成功しても失敗してもポジティブワードを発して、笑顔でハイタッチをしていました。「戦術の共有」「あきらめない心」「「チームワークのよさ」は笑顔によって導かれ、それが銀メダル獲得につながったと思います。

 皆さんも、勉強や部活動、農業実習など、苦しいことや思いどおりにならない時があるかもしれません、その時は「Keep Smile(キープスマイル)」「Stay Positive(ステイポジティブ)」で、道を切り拓いてください。愛媛県の合言葉も「愛顔あふれる愛媛県」なのですから。

 三つ目に、「故郷を思う気持ちを持ち続ける」です。

 今年度の重点努力目標は「地域に愛され 地域を愛し 地域とともに歩む西農」です。皆さん一人一人は、地域の皆様、保護者の皆様、小中学校の先生方、その他多くの方々の支えがあって、本日を迎えることができました。今後も感謝の気持ちを忘れず、日々の学校生活を通して、様々な活動を行ってください。

 結びに、保護者の皆様、お子様の御入学おめでとうございます。私達、教職員一同、「入学してよかった」といわれる学校にしていきます。お互いに協力して、お子様の素晴らしい進路実現を目指しましょう。

 御出席のすべての皆様に、本校に対する御支援・御協力を賜りますよう、お願い申し上げ、式辞といたします。

 

                                              令和四年四月八日

                                   愛媛県立西条農業高等学校長 能田 秀樹 

 

令和4年度始業式式辞

2022年4月8日 09時54分

 Come come everybody  How do you and how are you?

   Won’t you have some candy? One and two and three , four , five.

  Let’s all sing a happy song.  Sing trala la la la.

 

 NHK の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の中のラジオ英語講座のテーマソングです。ラジオ英語講座に影響を受けた3世代の100年に及ぶドラマでした。毎日楽しみに見ていましたが、今日が最終回でした。

 ドラマの中で、私が注目したのは、あんこを作るシーンで必ずおまじないが唱えられました。「小豆の声を聞け、時間に頼るな、目を離すな。何をしてほしいか小豆が教えてくれる。食べる人の幸せな顔を思い浮かべて、おいしゅうなれ、おいしゅうなれ、おいしゅうなれ」

 そこで、鍋を火からおろし、かき混ぜる。このおまじないは、あんこを作る時だけでなく、作物を育てたり、人を育てたりするときにも役立つのではないでしょうか?ドラマのキーになる場面でした。

 さて、今日から令和4年度がスタートします。それぞれ2年生・3年生に進級し、今、どんな気持ちでしょうか?2年生は中堅学年として、3年生は最高学年として、今年度の目標や抱負を抱いていることでしょう。この1年間あるいは1学期の目標は何でしょうか、勉強を頑張るとか、部活動で県総体や全国を目指す。農業クラブ活動で全国大会を目指すなど、

3年生はいよいよ自分の進路を決定する時期になりました。計画的に、信念をもって、進路実現をお願いします。

 特に,3年生は今年度から、成人年齢が引き下げられ、18歳の誕生日が来ると、成人となります。契約や裁判員制度など今までの18歳とは違った責任がかかってきます。犯罪や詐欺に巻き込まれないよう、一層の注意をお願いします。2年生も来年度にむけて覚悟しておいてください。

 新型コロナウイルスの感染も終息しない中、社会は「非連続」といえるほど急激に変化しています。この1年間、皆さんはどのようなドラマを体験するのでしょうか?メロドラマでしょうか、コメディー、ミステリー、ヒューマンでしょうか。皆さん一人一人がそれぞれのドラマの主人公です。皆さんの、能力・適性・興味関心に応じた学びの場所としてこの西条農業高校で、多様な他者と協働し、様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の作り手となっていくために必要な資質・能力を身につけていくよう期待します。

令和3年度 入学式 式辞

 式辞  

 武丈の桜もはや葉桜、野山に春の息吹を感じる今日の佳き日に、保護者、ご来賓のご臨席を賜り、令和3年度入学式を挙行できますことは、教職員一同の喜びであります。心よりお礼申し上げます。ただ今入学を許可しました、85名の新入生の皆さん、入学おめでとう。高校生活への希望と期待、不安を胸に、今日の日を迎えたことでしょう。 

 さて、昨年は新型コロナウイルスに翻弄された年でした。今もなお感染は止みません。0.1㎛という極小の生き物がこれほど人の命や日常に影響を及ぼすとは、我々の誰が想像できたでしょう。

 明るいニュースを探し辛い年ではありました。ところがコロナとは対極に、昨年12月宇宙規模の壮大な出来事がありました。惑星探査機「はやぶさ2」が大きな仕事を成し遂げて地球に帰ってきました。あの歴史的快挙の瞬間を皆さんは覚えていますか。小惑星リュウグウに着陸し、タッチダウンとともに岩石のサンプルを回収したのです。なんと、地球から3億キロ、3年余りかけ、半径3mに着陸した「すご技」でした。もしリュウグウの岩石に有機物が存在すれば、生命誕生の謎が解明できる。その壮大なミッションに成功したのです。

 さて、この偉業は新入生に何を教えてくれるでしょう。3億キロの旅を振り返ると分かります。

 「はやぶさ」は、リュウグウ到着までの間、地球との交信を切れ目なく行い、言わばJAXAの指令通り飛行を続けました。しかしリュウグウ到着後41分間だけは自立飛行しました。なぜなら地球からの電波は片道20分かかります。障害物など、咄嗟の危険を感じてから地球の指示を受けたのでは到底間に合いません。

 そこで「はやぶさ」は、ミッション成功のために地球との交信を切り、まるで知能を持った生き物のように自らをコントロールしたのです。障害物を発見するとリボートと言って、緊急上昇もやってのけました。リュウグウの表面は凹凸、唯一見つけた着地点の直径は6m、はやぶさの直径も6m。この困難に、なんと自らの機体を斜めに傾け、そしてタッチ&ゴー。見事、岩石を回収したのです。

 すなわち、JAXAからの信号に素直に従うこと、そしていざという時、自分で判断しチャレンジすること、そのふたつをもってミッションを成し遂げたのです。

 皆さんはこれまで先生方から知識や技術を学んできました。WITHコロナの高校生活でもそれは変わりません。しかし、今後は先生方のご指導には、中学校生活に増して素直であること、自らを厳しく鍛える場をもつこと、さらには、自分で考え正しく判断し、挑戦できることも必要です。

 「ハヤブサ2」はすでに、新たなミッションを得て、再び宇宙に飛び立ちました。皆さんは、今日、将来の目標を明確にして、ぶれることなく高校生活のミッションを果たさねばなりません。

 結びに、保護者の皆様。お子様の入学おめでとうございます。本日お子様をお預かりします。ハヤブサのように、しっかり教え導く場面と自立を促す場面を、教職員は誠実に指導して参ります。保護者の皆様におかれましては、過保護、過干渉にならず、ましてや自由、放任にならず、日々お子様との望ましい距離を、学校と連携する中で確め、お子様のミッションが果たせますよう、そして3年後、逞しい巣立ちが訪れますようご協力をお願い申し上げます。

 ご出席のすべての皆様に、本校に対するご支援とご鞭撻を引き続き賜りますよう、お願い申し上げて式辞といたします。

 

                            令和三年 四月八日

                                 愛媛県立西条農業高等学校長 久保浩治

令和3年度 始業式式辞

式辞 

 令和3年度がスタートします。春休みはどんな風に過ごしましたか。先月の終業式では「誠実な生活をおくりましょう」とお願いしました。春休みの課題、部活動、実習、また家族や友人に対して、誠実で充実した20日間だったと思っています。

 コロナウイルスにも誠実に恐れた生活だったと思います。残念ながら感染は止まず、今や第4波に突入したと言わざるを得ません。愛媛県全域で、明日から感染対策期、引き続き3密を避けた学校生活になります。 この後、本来なら校歌斉唱、高らかに校歌を歌うところですが声は出せません。校歌演奏です。心で歌うことになりますが、これを機会に、歌詞の意味を深く理解しましょう。 

 皆さんから向かって右側に掲げられている歌詞を御覧なさい。

 「石鎚と望み高く」で始まります。どう捉えますか。石鎚山は標高1982m、西日本最高峰、神が宿るともいわれる霊峰です。望みとはもちろん、生徒の皆さん自身の希望のことであり、学校生活と進路目標への理想と解釈できます。

 石鎚山のように気高い自分自身の理想、昨日までの自分を超えた目標を1年のスタートに当たりしっかりと掲げましょう。 

 続く歌詞は「加茂川と心清く」も同様です。加茂川は全長は28km、石鎚山系を源流に、雄大に蛇行し禎瑞を経て燧灘に注ぎます。名水「うちぬき」の水源となっており、西条を育んでいる「母なる川」とも表現されます。清く澄んだ流れはたくましくも純真な西農生の心根です。

 始業式にあたり、西農生には、この歌詞のように学校生活に確かな居場所を求め、やりがいを確かめ、1年後、2年後の進路の実現にむけて、その理想を高く掲げてください。そしてその土台となるものは、やはり何事にも素直で誠実な心、自分を大事にし、他人を敬う心です。

「石鎚と望高く 加茂川と心清く」

 緑輝くこの道前平野、みんなの生活を支えるこの地に、昨年同様、いえ昨年以上に西農生の生き生きした、すがすがしい命が躍動することを願っています。当面の間は、WITHコロナとなりますが、与えられた条件の中で、新入生の見本となる充実した学校生活がスタートすることを期待して、短く式辞とします。