学校いじめ防止基本方針

 

 

平成26年4月(改定 平成29年12月20日)
                                       
学校いじめ防止基本方針

0 本校教育方針 

 人権を尊重し、個性と能力を伸ばす教育活動を展開する中で「生きる力」を育て、知・徳・体の調和のとれた個性豊かな人材の育成に努める。また、各学科の学習を通して専門的な知識・技能を習得し、質実として勤労を愛する職業人を育て、地域社会に貢献する。

1 学校いじめ防止基本方針 

 いじめは、冷やかしやからかいなどのほか、情報機器を介したいじめ、暴力行為に及ぶいじめなど、学校だけでは対応が困難な事案も増加している。また、いじめをきっかけに不登校になってしまったり、自らの命を絶とうとしてしまったりするなど、深く傷つき、悩んでいる生徒もいる。いじめの問題への対応は学校として大きな課題である。そこで、「愛媛県いじめの防止等のための基本的な方針」に基づき、生徒達が意欲を持って充実した高校生活を送れるよういじめ防止に向け、日常の指導体制を定め、いじめの未然防止を図りながら、いじめの早期発見に取り組むとともに、いじめを認知した場合は適切に且つ速やかに解決するための「学校いじめ防止基本方針」(いじめ 防止全体計画)を定める。この方針策定にあたっては、保護者、関係機関との連携を図り、内容を保護者や生徒に告知し、内容を学校ホームページに掲示する。             

2 いじめとは                         

(1)いじめの定義

 「いじめ」とは、生徒等に対して、当該生徒等が在籍する学校に在籍している等当該生徒等と一定の人的関係にある他の生徒等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった生徒等が心身の苦痛を感じているものをいう。けんかやふざけ合いであっても、見えない所で被害が発生している場合あるため、背景にある事情の調査を行い、生徒の感じる被害性に着目し、いじめに該当するか否かを判断するものとする。例えば、好意から行った行為が意図せずに相手側の生徒に心身の苦痛を感じさせてしまったような場合、軽い言葉で相手を傷つけたが、すぐに加害者が謝罪し教員の指導によらずして良好な関係を再び築くことができた場合等においては、「いじめ」という言葉をを使わず指導するなど、柔軟な対応による対処も可能である。ただし、これらの場合であっても、法が定義するいじめに該当するため、事案を法第22条の学校いじめ対策委員会へ情報共有する。

(2)いじめに対する基本的な考え方

・「いじめは絶対に許されない」、「いじめはいじめる側が悪い」との認識

・「いじめは、どの生徒にも、どの学校においても起こり得る」との認識

・「いじめの未然防止は、学校・教職員の重要課題」との認識

(3)いじめの構造と動機

① いじめの構造

 いじめは、「いじめられる生徒」、「いじめる生徒」だけでなく、「観衆」「傍観者」などの周囲の生徒がいる場合が多い。周囲の生徒の捉え方により、抑止作用になったり促進作用となったりする。

② いじめの動機

 いじめの動機には、以下のものなどが考えられる。(東京都立研究所の要約引用)

・嫉妬心(相手をねたみ、引きずり下ろそうとする)

・支配欲(相手を思いどおりに支配しようとする)

・愉快犯(遊び感覚や愉快な気持ちを味わおうとする)

・同調性(強いものに追従する、数の多い側に入っていたい)

・嫌悪感(感覚的に相手を遠ざけたい)

・反発・報復(相手の言動に対して反発・報復したい)

・欲求不満(いらいらを晴らしたい)

(4)いじめの態様

 いじめの態様には、以下のものなどが考えられる。

 ・ 冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる

 ・ 仲間はずれ、集団による無視をされる

 ・ 軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする

 ・ ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする

 ・ 金品をたかられる

 ・ 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする

 ・ 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする

 ・ パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる 等

3 いじめ防止の指導体制・組織的対応

(1)日常の指導体制

 いじめを未然に防止し、早期に発見するための日常の指導体制を以下の通りとする。

別紙1  ※いじめ防止委員会の設置

(2)緊急時の組織的対応

 いじめを認知した場合のいじめの解決に向けた組織的な取組を以下の通りとする。

別紙2  ※いじめ対策委員会の設置

4 いじめの予防

 いじめの問題への対応では、いじめを起こさせないための予防的取組が求められる。学校においては教育活動全体を通して、自己有用感や規範意識を高め、豊かな人間性や社会性を育てることが重要である。

(1)学習指導の充実

・規範意識、帰属意識を互いに高める集団づくり

・コミュニケーション能力を育み、自信を持たせ、一人一人に配慮した授業づくり

・他者との協力・共同の意識を育む農業実習教育の推進

(2)特別活動、道徳教育の充実

・ホームルーム活動における望ましい人間関係づくりの活動

・ボランティア活動の充実

(3)教育相談の充実

・面談の定期的実施(4月、9月、1月)

(4)人権・同和教育の充実

・人権意識の高揚

・講演会等の開催

(5)情報教育の充実

・教科「情報」におけるモラル教育の充実

(6)保護者・地域との連携

・いじめ防止対策推進法、学校いじめ防止基本方針等の周知

・学校公開の実施

5 いじめの早期発見

 いじめの問題を解決するために最も重要なポイントは、早期発見・早期対応である。生徒の言動に留意するとともに、何らかのいじめのサインを見逃すことなく発見し、早期に対応することが重要である。

(1)いじめの発見

 いじめ行為を直接発見した場合は、その行為をすぐに止めさせるとともに、いじめられている生徒や通報した生徒の安全を確保する。「緊急時の組織的対応」により速やかに報告し、事実確認をする。

(2)いじめられている生徒・いじめている生徒のサイン

別紙3

(3)教室・家庭でのサイン

別紙4

(4)相談体制の整備

・相談窓口の設置・周知

・面談の定期的実施(4月、9月、1月)

(5)定期的調査の実施

・アンケートの実施(5月、9月、1月)

(6)情報の共有

・報告経路の明示・報告の徹底

・職員会議等での情報共有

・要配慮生徒の実態把握

・進級時の引継ぎ

6 いじめへの対応

(1)生徒への対応

① いじめられている生徒への対応

 いじめられている生徒の苦痛を共感的に理解し、心配や不安を取り除くとともに、全力で守り抜くという「いじめられている生徒の立場」で、継続的に支援することが重要である。

・安全・安心を確保する。

・心のケアを図る。

・今後の対策について、共に考える。

・活動の場等を設定し、認め、励ます。  

・温かい人間関係をつくる。

② いじめている生徒への対応

 いじめは決して許されないという毅然とした態度で、いじめている生徒の内面を理解し、他人の痛みを知ることができるようにする指導を根気強く行う。

・いじめの事実を確認する。

・いじめの背景や要因の理解に努める。

・いじめられている生徒の苦痛に気付かせる。

・今後の生き方を考えさせる。

・必要がある場合は懲戒を加える。

(2)関係集団への対応

 被害・加害生徒だけでなく、おもしろがって見ていたり、見て見ぬふりをしたり、止めようとしなかったりする集団に対しても、自分たちでいじめ問題を解決する力を育成することが大切である。

・自分の問題として捉えさせる。

・望ましい人間関係づくりに努める。

・自己肯定・有用感が味わえる集団づくりに努める。

(3)保護者への対応

① いじめられている生徒の保護者に対して相談されたケ-スでは、複数の教員で対応し、学校は全力を尽くすという決意を伝え、少しでも安心感を与えられるようにする。

・じっくりと話を聞く。

・苦痛に対して本気になって精一杯の理解を示す。

・親子のコミュニケーションを大切にするなどの協力を求める。

② いじめている生徒の保護者に対して事実を把握したら速やかに面談し、丁寧に説明する。

・いじめは誰にでも起こる可能性がある。

・生徒や保護者の心情に配慮する。

・行為や行動が変わるよう教員として努力していくこと、そのためには保護者の協力が必要であることを伝える。

・何か気付いたことがあれば報告してもらう。

③ 保護者同士が対立する場合など教員が間に人って関係調整が必要となる場合がある。

・双方の和解のみを急がず、相手や学校に対する不信等の思いを丁寧に聞き、寄り添う態度で臨む。

・管理職が率先して対応することが有効な手段となることもある。

・教育委員会や関係機関と連携し解決を目指す。

(4)関係機関との連携

 いじめは学校だけでの解決が困難な場合もある。情報の交換だけでなく、一体的な対応をすることが重要である。

① 教育委員会との連携

・関係生徒の支援・指導、保護者への対応方法

・関係機関との調整

② 警察との連携

・心身や財産に重大な被害が疑われる場合

・犯罪等の違法行為がある場合

③ 福祉関係との連携

・家庭の養育に関する指導・助言

・家庭での生徒の生活、環境の状況把握

④ 医療機関との連携

・精神保健に関する相談

・精神症状についての治療、指導・助言

7 ネットいじめへの対応

(1)ネットいじめとは

 文字や画像を使い、特定の生徒の誹謗中傷を不特定多数の者や掲示板等に送信する、特定の生徒になりすまして社会的信用をおとしめる行為をする、掲示板等に特定の生徒の個人情報を掲載する、などがネットいじめであり、それは犯罪行為である。

(2)ネットいじめの予防

① 保護者への啓発

・フィルタリング

・保護者の見守り

② 情報教育の充実

・研修図書情報課による情報モラル教育の充実

③ ネット社会についての講話(防犯)の実施

(3)ネットいじめへの対処

① ネッ卜いじめの把握

・被害者からの訴え

・閲覧者からの情報

.・ネットパトロール

② 不当な書き込みへの対処

・状況確認→状況の記録→管理者へ連絡(削除依頼)、いじめへの対応、警察・関係機関への相談

8 重大事態への対応

(1)重大事態とは

① 生徒の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがある。

・生徒が自殺を企図した場合

・精神性の疾患を発症した場合

・身体に重大な障害を負った場合

 ・高額の金品を奪い取られた場合

② 生徒が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている。

・年間の欠席が30日程度以上の場合

・連続した欠席の場合は状況により判断する。

(2)重大事態時の報告・調査協力

 学校が重大事態と判断した場合、県教育委員会に報告するとともに、県教育委員会が設置する重大事態調査のための組織に協力する。

 

別紙1~4はこちら