令和元年度 第3学期始業式 式辞

おはようございます。
 令和2年、2020年の新しい年を迎えました。そして、今日からいよいよ3学期が始まります。こうしてまた、皆さんの元気な顔に会えたことを、大変うれしく思います。皆さんは、この冬休みをしっかりと過ごせたでしょうか。大きな怪我や事故の報告もなく安心しています。

先日、西条郷土博物館に行く機会がありました。昨年、創立100周年を迎え、2年間に渡って100周年の諸行事・事業をすすめている本校にとって、歴史を感じる特別展示に出会うことができました。

まず、高瀬政男さん(昭和11年卒業生 同市玉之江出身)のコーナーがありました。高瀬さんは、展示を主催された方の御知り合いだったようです。本校を卒業後、海軍に志願し、1941年(昭和16年)12月8日の真珠湾攻撃時には空母「飛龍」に乗り組み、その後、ミッドウェー海戦で戦死(享年24歳)されました。ご本人の写真や連合艦隊司令長官・山本五十六の名前で贈られた感謝状や金鵄、勲章のほか、自筆のミッキーマウスのイラストが描かれたジャズの楽譜、ハーモニカの楽譜などが展示されていました。高瀬さんは戦前、フランス映画やジャズなど欧米文化に親しむなど、様々なことに対して、興味・関心をもたれ意欲的な方でした。

もう一つは、西条南高校、西条北高校当時の関係の資料です。本校は、今まで何度かお話をしているように、大正8年4月7日に、地域の期待を担って、愛媛県立西条農業学校として設立されました。その後、学制改革や高校再編により、学校の名前などが変更されました。昭和23年には、愛媛県立西条農業高等学校となりましたが、翌年の昭和24年には、総合制となり普通科課程と農業科課程を併設する、西条南高等学校なりました。当時は現在の西条高校が西条北高等学校と呼ばれていたようです。5年間は西条南校と北高校の時代がありました。そして、昭和30年に、農業専門教育だけの単独高校になり、普通科は西条高校へ統合し、再度、愛媛県立西条農業高等学校と改称されています。

このような当時を感じさせる物として、昭和23年3月の愛媛県立西条農業学校同窓会の会員名簿、昭和28年3月1日発刊の西条南高等学校農業クラブ機関紙「芽生え」第1号特集号、西条南高等学校文芸部が発刊した「双樹」、昭和29年10月1日に開催された愛媛県立西条南高等学校の体育祭のお礼状、昭和30年11月1日に開催された独立発足記念の祝賀会の案内文書、昭和30年11月19日・21日に開催された、県立西条農業高等学校独立記念農業祭のポスターなど、多くの資料が展示されていました。また、その他にも大正13年度の入学案内の文書などもありました。

西条郷土博物館の職員の方になぜ、この特別展を開催されたかを尋ねると、「本校が100周年という記念すべき年であり、多くの方にご紹介したいとの思いから」との御回答をいただきました。これら二つのコーナーは、皆さんの先輩方の活躍の証であります。今年の3年生を入れると本校の卒業生は17,576名となり、101回目の卒業生なる予定です。2年生は102回目、1年生は103回目の卒業生となります。本校創立百周年の記念すべき年に在籍した生徒の皆さん、諸先輩方の想いを受け継ぎ、新たな西農の歴史を築いてください。そして、開校当時からの伝統として受け継がれている校訓「創造、誠実、敬愛」のもと、さらなる高みを目指して、確個たる自分を築いてほしいと思います。「学習にしっかり取り組む」「元気で爽やかなあいさつ」は基本です。

それでは、まだまだ寒い日が続きます、手洗い・うがいをしっかりして、風邪をひかないように十分気をつけ、充実した3学期を過ごしてくれることを期待して式辞といたします。

                                               令和2年1月8日

                                      西条農業高等学校 校長 松永  泰

 

令和元年度 第2学期終業式 式辞

 おはようございます。平成から令和元年を迎えた一年、皆さんにとってどのような年でしたか。

さて、今年の「新語・流行語大賞」にラグビー日本代表のスローガン「ONE TEAM」が選ばれました。私自信も学生時代、社会人とラグビー競技を経験していましたので、ラグビーW杯は毎日楽しみに観ていました。代表選手31名は日本を含めた7ヶ国の出身者から選ばれていました。出身地、文化、生まれや背景が違っても一致団結し、選手たちがお互いを尊敬し、全員がベスト8という目標を共有しました。そして、日本の歴史や文化を学び、厳しい合宿を通じて家族のように一つのチームになりました。私たちに、団体や集団で一つのことをやり遂げる時に、全員の力を合わせて、一丸となって目標に向かってやり遂げることの大切さを教えてくれたと思います。学校やクラス、様々なグループも個人の集まりですが、個性の集まりを越えた一つのチームになった時、もの凄いパワーが発揮されるのではないでしょうか。まさしく、今学期に行われた運動会やグループマッチ、農業クラブ活動などで、多くの成果が得られたのも「ONE TEAM」になれたからだと思います。

 「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という言葉を聞いたことがあると思います。ラグビーは、団体競技の中で一チームの人数が最も多く、一人ひとりがチームのために、危険な思い、痛い思いを共有しなければ、勝利という目標にはたどり着けません。だからこそ、仲間との太い絆と信頼関係が必要になります。また、チームの中には背の高い人、低い人、体の大きい人、小さい人もいます。小さくても、足が速いとか、太っていて足は遅くても、体が強いとか、お互いの弱点と強み、得意、不得意を認め合い、弱点や弱みをおぎない、支えあいながら、勝利に結びつけていきます。学校や社会にも様々な友人がいます。そういう友人の弱さと強さを認め合い、支え、励まし、磨きあわなければ、成熟した人間の成長はあり得ないと思います。
 「一人はみんなのために、みんなは勝利のために」とも言われます。一人ひとりが『勝利』に正対し、仲間頼みではなく、自分の足で立ち向かうこと。チームの一員として他のメンバーに甘えたり、寄りかかったりせず、大人として自立できる集団であること。全員で勝利をつかむためには、一人ひとりが全力で役割を果たせ。ということです。この最後の「勝利」という言葉は、学校では、一つの目的、あるいは目標と置き換えてください。一つの目的、つまりゴール(目標)のために、全員が役割をしっかり果たすのが重要であると言うことです。単純な助け合い、助けられ合いだけではなく、自立した人間としてチーム・仲間を認め、支え、磨き合い、勝利を目指すということも、重要なことだと思います。

 全校生徒の皆さん、「一人はみんなのために、みんなはひとりのために」、「一人はみんなのために、みんなは勝利のために」、「一人はみんなのために、みんなは一つの目的(目標)のために」今後もこれらを意識した生活をしてください。

それでは、冬休みを有意義に過ごし、元気に新年を迎えることを祈念し式辞といたします。

                                                                                                                                               令和元年12月20日

                                                                                                                                       西条農業高等学校 校長 松永  泰

 

令和元年度 2学期始業式 式辞

 おはようございます。

 夏休みが終了して、今日から2学期がスタートします。まもなく就職試験も始まり、運動会、修学旅行、産業祭、100周年記念の学校行事等も目白押しです。

 さて、この夏休み中に、皆さんの頑張っている姿を見ました。その中でも印象に残ったのは、8月20日~21日香川県で開催された「日本学校農業クラブ四国大会」です。食農科学科の果樹班の皆さんが、パパイア栽培の研究成果を発表しました。本当に頼もしく映るとともに、学習の成果を多くの方々に知っていただくことに喜びを感じました。

話は変わりますが、ことわざ「馬を水飲み場まで連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。」この意味はわかりますか?「喉が渇いている馬に水を飲ませてあげようと思い、水飲み場まで連れて行くことはできる。しかし、最終的に水を飲むかどうかは馬自身が判断することであり、人が飲ませることができない」ということです。つまり「周りの人ができる支援、応援、協力などには限りがあって、最終的に行動を決めるのは本人の意思である」ことを教えてくれています。

3年生の多くは、この2学期進路実現に向けて試験を受けます。受験に際しては様々な先生や保護者が指導、支援をしてくれます。しかし、最終的に受験を左右するのは自分自身の意思に他なりません。

本校の教育目標にも謳われ、これからの社会を生きていく上で必要とされている「主体性」とは、様々な事を「自分事」として考える力です。当然のことですが、就職や進学するのは先生でもなく保護者でもなく生徒の皆さん自身です。

授業も同じです。座学や実習において、どれだけ先生が熱心に教えても、受ける側の「もっといろいろな事を知りたい」「もっとできるようになりたい」という向上心・探求心がないと、目の前に準備された水を飲まないのと同じで、教えられたことが身につくことはありません。それどころか、やる気がない状態で授業を受けることは、飲みたくない水を無理やり口に入れられるのと同じで、どんどん勉強がいやになり、面白くなくなる。まさに、悪循環です。

一方、自分自身の成長に夢を描き、できる喜びや知る楽しさを感じながら取り組む人は、様々な試練も意欲を持って乗り越えていきます。例えば、冒頭で紹介した農業クラブのプロジェクト発表では、地方大会を勝ち抜き憧れの全国出場を果たしたクラブ員の姿は本当に晴れやかです。しかし、その裏には、いままでとてつもない苦労や頑張りがあったはずです。それを乗り越えられたのは、根底に「もっと知りたい」「全国に行きたい」という強い思いがあったからだと思います。

良い循環になるか悪い循環になるかは、自分自身の考え方、捉え方ひとつです。学校の指導が自分自身の成長に繋がるという考えを持つことができれば、高校生活が前向きなものになります。授業中寝ていたり私語をしたりして、授業を聞かないことで損をするのは自分自身であるし、遅刻、身だしなみ、挨拶など「社会で必要な力」を身につけずに社会に出て困るのも自分自身です。会社には遅刻指導カードや身だしなみ指導はありません。ペナルティーがあるからでななく、大切なのは、「なぜ必要なのか」ということを自分自身で考える力です。ぜひこの高校生活で、卒業後の人生を幸せに生きていくことのできる本当の力を付けて欲しいと思います。

それでは、西農生の皆さん、2学期を新たな意味あるスタートにしていきましょう。そして将来の自分をしっかりと見つめる学期にしてください。

               令和元年8月29日 愛媛県立西条農業高等学校 校長 松永  泰

令和元年度 1学期終業式 式辞

 おはようございます。
 昨日、開催された野球の大会では選手・応援団、全校生徒が一体となった素晴らしい内容でした。選手は最後まで粘り強く戦い、応援団は、大きな声援を送り続けました。西農生の仲間意識とやさしさを強く感じることができました。

 さて、4月8日に始まった1学期ですが、皆さんにとってどんな一学期だったでしょうか。私は4月からのこの3ヶ月半があっという間に過ぎたように感じています。

 皆さんの活動が愛媛新聞に取り上げられ、能田教頭先生がまとめ、「西農ニュース」としてクラスに掲示、ホームページにアップしてくれています。一学期に掲載された内容を紹介します。5月26日の新聞では「思いを花に込めて」の記事です。フラワーデザイン競技県大会の様子が紹介され、白木ひかるさん、花畑颯姫さん、矢野藍梨さんが優秀賞を受賞しました。

 5月29日は、「再会30年前の自分」の記事が載っています。本校100周年記念事業として行われ、30年前に埋没したタイプカプセルの開封式が紹介されました。6月8日は、「牛の目利き腕競う」の記事です。家畜審査競技県大会の様子が紹介され、秋山拓都君、大道紅実花さん、川﨑稜也君が優秀賞を受賞しました。

 7月7日には、「起業家 農業や観光PR」の記事です。西条地域クラウド交流会でプレゼンテーションを行った、真鍋薫音さんと明日実来さんの、パパイアの栽培研究の取組が一番の得票結果でした。部活動では、総合体育大会東予地区予選においてのテニス部の工藤温人君、バドミントン部の内田大登君、弓道部の日野瑛紀君の3人の優勝をはじめ、テニス部、柔道部、バドミントン部、弓道部での入賞が紹介されました。

 先日、西条市内の中学校の校長先生方と話す機会があったのですが、「西条農業の生徒さんよく頑張っていますね。」「挨拶もよくしてくれますよ。」と言ってくれました。学校生活を通して、皆さんの頑張りが、地域の方にも伝わり、認められ、地域から愛され応援してくれているということが感じられる一学期でした。

 本校は三つの学科があります。この学科の生徒が、各科の取組や部活動、学校行事を通して、それぞれの特色を出して、いきいきと活動していると感じます。大切なのは、学科・学年を越えて皆さんが一つの学校として目標や成果を共有し、学校の魅力として感じているかどうかです。「あいつら頑張っているな。俺もがんばろう!」と思えるかどうかということです。

 さて、夏休みを迎えますが、夏季補習や資格検定試験、実習や部活動等盛りだくさんです。皆さんに心がけてほしいことが二つあります。一つは、毎日の生活のリズムを崩さないこと、せっかく身についた生活習慣がこの休みで崩れてしまわないようにしてほしいと思います。そのために三つの時間を決める。朝起きる時間、机につく時間、夜寝る時間を固定することが大切です。二つ目に、3年生にとっては、高校生活最後の夏、進路達成に向けた勝負の夏になります。この夏こそ、将来の自分を最大限に意識して生活してほしいと思います。

 本校の指導方針、「積極的失敗を糧にして、主体性を育てる」を忘れず、この夏、皆さんが、新しいことや難しいことに果敢にチャレンジすることを恐れず、そこで出会った積極的失敗を糧にして、自分自身の主体性をしっかりと身に付けていただくことをお願いし式辞といたします。

令和元年7月19日 愛媛県立西条農業高等学校 校長 松永  泰

平成31年度 1学期始業式 式辞

 おはようございます。

 本日より、新年度が始まりました。先日、新元号も「令和」と発表されました。2019年は、平成から令和の新たな時代へと元号が変わり、オリンピック・イヤーを控える「節目の年」でもあります。

 今年の重点努力目標を、昨年に引き続き「地域に愛され、地域を愛し、地域とともに歩む西農-100年分の感謝と新たな飛躍への挑戦-」としました。創立100周年の記念行事も2年目となります。新たにスポーツフェスティバル、記念式典などが計画されており、100周年にふさわしい校風を樹立できるかどうか、皆さんの活躍が問われる年でもあります。勉学や部活動はもちろん、校内外の生活や地域の諸活動に至るまで、一人一人が自覚と誇りをもって主体的に活躍してくれることを期待します。

 さて、NHKの朝ドラの連続テレビ小説「まんぷく」の放送を見た方もいると思います。インスタントラーメンを生み出した日清食品の創業者・安藤百福(あんどう・ももふく)さんと、その妻・安藤仁子(あんどう・まさこ)さんの半生がモデルとなっています。安藤百福は50才を目前にして、仕事も財産も失い、そこからインスタントラーメンを作り上げ、日本をはじめ、世界に愛される食品に発展させた方です。何度も失敗してどん底から立ち上がる、敗者復活戦を繰り返した末、世紀の大発明へとたどりつきます。アイデアと情熱次第で世界的な発明を成し遂げることができることと、挑戦し続けることの大切さを教えてくれています。

 挑戦することは、自分が達成困難な大きな課題にチャレンジすることです。挑戦をすると自分自身を成長させることができます。また挑戦をすることで、自分の隠れた才能を引き出すことができます。挑戦をしている人は、失敗が多くなります。しかし何度失敗を繰り返しても、最終的に大きな目標を達成することができれば、失敗は無駄になりません。挑戦をすることで課題を克服するために努力し、技術力を上げ、精神力を向上させることができます。

 本校にも、3月14日から11日間、異国の地サンフランシスコで果敢に挑戦してくれた生徒がいます。先日、参加報告会が西条市役所で行われ、私も参加しました。「気持ちが大切、コミュケーションが重要、異文化理解ができた、主体性が大切」などの感想を聞くことができました。本当に素晴らしい体験とチャレンジをしてくれました。今年は、2年生の希望者が台湾の修学旅行に旅立ちます。また、西条市ではヤングリーダ育成プログラムでシアトルでの国際交流を募集しています。是非、一人でも多くの方が参加し、多様な文化理解と異文化コミュニケーションへの挑戦をしてください。

 本校の指導方針は、昨年に引き続き「積極的失敗を糧にして、主体性を育てる」です。皆さんが、新しいことや難しいことに果敢にチャレンジすることを恐れずに、そこで出会った積極的失敗を糧にして、自分自身の主体性をしっかりと身に付けていただくことをお願いし式辞といたします。

 

平成31年4月8日(月) 愛媛県立西条農業高等学校 校長 松永 泰