令和2年度 入学式式辞

式辞

 春風が武丈の桜を揺らす今日の佳き日に、ご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、入学式を挙行できますことは、教職員一同の喜びであります。心よりお礼とお祝いを申し上げます。
 ただ今入学を許可しました、69名の新入生の皆さん、入学おめでとう。高校生活への希望と期待、その中で、新型コロナウイルスの影響もあり、不安も入り混じって、今日の日を迎えたことでしょう。
 さて、近年の技術革新は目覚ましいものがあり、第四次産業革命とも言われます。Society5.0、AI、IoT、といった、アルファベットや数字がその進展を表現する時代、この新時代に皆さんに求められる力とは何か。私は二つあると考えます。
 一つは創造力、英語でクリエーション。新しい価値を作り出す力です。もう一つは、やはり想像力です。こちらは、イマジネーション。他人の気持ちを慮る力です。
 AIが進化し、二十年後にはなくなる職業があると言われます。なくなる仕事の基準は、単純で繰り返しの作業だと言う人もいます。皆さんがなろうとしている職業は残るでしょうか?
 この問いに、こう答えましょう。
 人のすべきことはいつも変化しています。それは歴史が証明します。単純な仕事などは、実はどこにもありません。すべての仕事には必ず、他人には見せない考え抜いた知恵や工夫、相手への思いやりがあるのです。裏を返せば、しっかり仕事に向き合えない、価値を生み出す努力ができない人、自分本位で気配りができない人は、二十年後、ロボットに指示されます。三年後、就職する人はもちろん、進学を考えている人も、二つのそうぞう力を、実学である農業学習を通して磨きましょう。
 もちろん、二つのそうぞう力を養うためには、ベースとなるものがあります。それは毎日の基本的生活習慣であり、自己管理能力です。さらには、先生方を敬愛し、その教えを素直に乞う誠実さです。
 実はこれまで述べてきた「創造」「誠実」「敬愛」は本校の校訓であり、皆さんが目指すところです。中学校生活を礎として、また十分振り返り、西農生活をスタートさせてください。
 結びに、保護者の皆様。お子様に対して教職員は、教え導く場面と自立を促す場面に、誠実に取り組んで参ります。
 過保護、過干渉にならず、ましてや自由、放任にならず、日々お子様との望ましい距離を、教員と連携する中で確め、3年後、逞しい巣立ちが訪れますようご協力をお願いします。
 ご出席のすべての皆様には、本校に対するご支援を賜りますよう、お願い申し上げて式辞といたします。

                          令和二年四月八日
                          愛媛県立西条農業高等学校長 久保浩治

令和2年度 1学期始業式 式辞

式辞

 種田山頭火という人がいます。自然が好きで、自由な俳句を作る人、俳人です。その方の俳句に、「窓開けて窓一杯の春」という句があります。一般的にはこんな解釈ができます。「部屋の中で過ごしていて、ふと窓の外を見つめると、そこには草木が芽吹き、花が咲き、鳥がさえずっている。何やら楽しそうだ。さあ、外に出てみよう」
「窓開けて窓一杯の春」

 新型コロナウイルス対策として、3月4日から臨時休業しました。その間に、国土交通省コンテスト 旅企画で最優秀の秋山君と菊池さん、GAPおもてなしコンテスト 審査員特別賞の真鍋さん、明比さんなど明るい話題がありました。ありがとうございます。登校日も設け、また部活動も条件付きで再開されましたが、多くの生徒の皆さんは、基本的に家庭で過ごしてもらいました。さぞや窮屈な生活を送ったことでしょう。

 窓を開ければ、武丈の桜も満開、加茂川の水もぬるみ、本日学校が再開できました。皆さんは昨年までは、ややもすると、朝起きて登校し6時間の授業を受けて帰る、といった受け身の平凡な生活だったかもしれません。しかし今日、通常の学校生活ができるありがたさを、友達と語り合える楽しさを実感したのではないですか。

 これを機に、昨年まで自分ができていなかったこと、もの足りなかったことを反省し、心機一転、新たな志を持って、西農ライフを再スタートさせてください。今後も、新型コロナウイルス対策として、3つの密「密閉」「密集」「密接」を避けることが生活の基本となり、集会の時間も短くする必要も、時にはあります。

 本日私が、皆さんにお伝えしたいことの一番は、来週にも配布される進路のしおりの1ページ目に書きましたので、よく読んでください。

 先ほどの「窓開けて窓一杯の春」の俳句には、「春だと思ったが、実際は外に出て体験してみないとわからない」という意味にも取れます。いつ学校生活自粛の動きがあるかわかりません。与えられた条件の中で、各自がリスク対策をして、充実した学校生活を送りましょう。以上、短く式辞とします。

                          令和二年四月八日
                          愛媛県立西条農業高等学校長 久保浩治