平成30年度 2学期始業式 式辞

 おはようございます。

 夏休みが終了して、今日から2学期がスタートします。まもなく就職試験も始まり、運動会、修学旅行、産業祭等、学校行事も目白押しです。気持ちを新たに、1学期よりも一回り成長した高校生として頑張ってほしいと思います。

 ただ、先の「平成30年7月豪雨」で何にも替え難い青春を奪われた高校生が多数いることを忘れないでください。河川の氾濫や浸水害、土砂災害が発生し、甚大な災害となりました。また、ライフラインにも被害が及んだほか、交通障害が広域的に発生しました。このような、様々なハンディキャップを背負わされた仲間たちの心の痛みも思いはかってほしいと思います。

 さて、先の全国高等学校野球選手権大会は、皆さんと同じ農業を学習する秋田県立金足農業高校が準優勝、2回目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭高校の優勝で幕を閉じました。ここで、大阪桐蔭高校のチームの副キャプテン、現在、高校日本代表の根尾選手の勉強方法を紹介したいと思います。大阪桐蔭の野球部員は、郊外の専用グラウンドで練習し、全員が寮生活で野球に没頭する毎日です。このような中で、勉強できる時間を十分に取れない状況ですが、彼は自分の学習パターンをキープし、授業について次のような考え方をもっていました。「先生方は、僕たちが知らないことしか教えないわけだから、それを教えてくださると思って聞いています。授業が終わったら、今日はこういうことを学んだとノートに整理します。オール5を目指していたわけでなく、どの教科も手を抜かないという意識を常にもっています。」

 受験校の生徒が通常、毎日4〜5時間家庭学習する中、学習時間を確保できない彼がとった方法は「授業をこの上なく大切にする」ことでした。そして練習場所に移動するバスの中でも本を読むこと。これは「隙間の時間を有効に使う」ことです。やはり彼の「考える力と判断力」は素晴らしいと思いました。

周囲に流されない確固とした自分を持っており、その価値観に基づいて何事もじっくり考える行動原理が身に付けていると思います。このような彼から感じるところがあれば、皆さんも是非参考にしてください。

 すべての高校が大阪桐蔭のような学校になれるわけでありません。他の学校は、この学校の前に敗れ去っています。その敗者が価値あるものとなるのは、その後の生き方であると思います。ある有名な高校野球の監督は「負けるのは不名誉ではない。不名誉なのは負けて駄目な人間になることだ。人生は敗者復活戦。」と言っています。

 西農生の皆さん、2学期を新たな意味あるスタートにしていきましょう。授業を大切に、そして将来の自分をしっかりと見つめる学期にしてください。

平成30年9月3日(月) 愛媛県立西条農業高等学校 校長 松永 泰

平成30年度 1学期終業式 式辞

 おはようございます。
 先日、開催された野球の大会では選手・応援団、全校生徒が一体となった素晴らしい内容でした。劣勢の中でも、選手は最後まで粘り強く戦い、応援団は、大きな声援を送り続けました。スタンドからは、いつしか「落ち着け、頑張れ、ファイト」と声援が飛び交い、試合終了後には相手校に「2回戦も頑張ってください」とエールを送り、西農生の仲間意識とやさしさを強く感じることができました。

 さて、今回の西日本豪雨では、県内でも土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、大きな被害がでました。被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。

 皆さんも、聞いたことがあると思いますが、宮澤章二さんという詩人がつくった詩集「行為の意味」から抜粋要約したフレーズ。

 「こころはだれにも見えないけれど、こころづかいは見える。思いは見えないけれど、思いやりはだれにでも見える。」

 この詩の中で宮澤さんは、こころづかいや思いやりが見える理由を「人に対する積極的な行為だから」と言っています。そして、この詩はこんなふうに結ばれています。

 「あたたかい心が、あたたかい行為になり、やさしい思いが、やさしい行為になるとき、心も思いも初めて美しく生きる」

 人は、思いやりの気持ちをもっていても、それを行動に移すことはなかなかむずかしい面があります。しかし、人を思いやるその気持ちを、行動となって表してこそ、初めて意味があります。その反対に、言葉では思いやりの気持ちをもっていると繰り返し言ったとしても、具体的な行動として表れていなければ、その気持ちをもっていないのと同じことになってしまいます。

 本校では、先日、生徒自身から声が上がり、被災地に対しての義援金や支援物資の協力を呼びかけています。生徒会、農業クラブ、家庭クラブの役員の皆さん方の素晴らしい行動力に感激いたしました。まさしく「人に対する積極的な行為」そのものです。西農の校訓は「創造 誠実 敬愛」です。特に「敬愛」とは、私たちが、人として身に付けていかなければいけない大切なことであり、人を大事にする心、人を思いやる心であります。本校には、生命の営みに、毎日向き合うことができる場所があります。そのような中から、相手を敬い、慈しむ心が自然と身についていることを、今回の皆さんの行動で実感いたしました。

 人を思いやるそのやさしい心や気持ちを、皆さんのように勇気をもって積極的に行動として表すことが大切です。そして、そのようにふるまうことが、人としての大切な生き方でもあります。お互いに思いやりの気持ちにあふれた社会をつくり出すためにも、皆さん一人一人が、これからも思いやりの心や気持ちを積極的に行動として表し、その姿を見せてくれることを願って式辞といたします。

平成30年7月20日(金) 愛媛県立西条農業高等学校 校長 松永  泰

平成30年度 1学期入学式 式辞

 武丈公園からも春の香りが漂う今日の佳き日に、多数の御来賓の皆様、保護者の皆様の御臨席を賜り、平成30年度 愛媛県立西条農業高等学校の入学式をこのように盛大に挙行できますことは、生徒並びに教職員一同の大きな喜びであり、心より厚くお礼を申し上げます。

 ただ今、入学を許可いたしました、99名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本校は、大正8年に誕生し、来年には百周年を迎える、輝かしい歴史と伝統を誇る愛媛県下でも屈指の農業高校です。

本日より、伝統ある本校の生徒として勉強することになりました。これからの変化の激しい社会を生き抜いていくためには、自ら学ぶ意欲と主体的な学習の仕方を身に付けるとともに、豊かな人間性と逞しい体力を培うことが求められます。

 本校の今年度の教育目標は、「積極的失敗を糧にして、主体性を育てる」です。皆さんが、新しいことや難しいことに果敢にチャレンジすることを恐れずに、そこで出会った積極的失敗を糧にして、自分自身の主体性をしっかりと身に付けてほしいと思います。

 そのために、高校時代に次の3つのCを実行してください。3つのCとは、Chellenge、Consider(コンスィダー)、Controlの頭文字をとったものです。

 まず、Chellenge(チャレンジ) は高校生活への挑戦です。ただ、言われるままに、何とはなしに学校に来て、何とはなしに学習をする。そのような消極的な生活を続けていると、ついには高校生活を理解することができず、本来校の学校生活から離れていってしまうものです。中学生気分から脱皮して、高校生として勉強に部活動にチャレンジしてください。積極的に行動することで、得ることも多いでしょうし、楽しさや達成感、成就感も十分味わえるものと考えます。高校の学習で期待するものは、ただ教えられるままの知識や技能ではなく、私たちが生活し、仕事をし、逞しく生きるために必要とする生きた学力です。高校生活にチャレンジすることで、是非、それを身に付けてほしいと思います。

 2つめは、Consider(コンスィダー)です。Considerとはよく考えることを意味します。自分で考え、判断して、行動してほしいということです。皆さんの中には、直感力はかなり優れていますが、すぐに頭にきたとか、簡単に投げ出してしまう傾向がないでしようか。よく考えることは、他人を思いやることに通じます。人間が人間として生きていくためには、あたたかな人間関係がますます重要です。思いやることができるひとは、他人も痛みも分かり、気にくわないから殴るとか、目つきが悪いから、とがめるとか、短絡的に物事を判断しない人です。これは、立派な社会人としての基本的な条件です。「考えて、判断し、行動する」そのような訓練を、是非、摘んでほしいと思います。共に喜び、共に泣き、心から話し合える親友は、高校時代のあたたかな人間関係の中から生まれ、一生にわたって大きな力になります。

 3つめは、 Controlです。自分をコントロールできる能力を養ってほしいと言うことです。理性と言う言葉に置き換えることもできます。一人一人が耐性を育むことです。待つ、耐える、我慢するということは高等な精神活動です。まだ、耐性が発達していない赤ちゃんは、お腹が空けばすぐに泣き、思うようにいかなければ駄々をこねます。人間が社会生活を円滑に行うためには、自分をコントロールすることが大切です。

 皆さんには、これから本校で、農業実習などの体験を通して、これらのことを学びながら、自己の可能性を高め、地域を支える人材に成長していってほしいと願っています。どうか、これら3つのCを心にとどめ、充実した高校生活を送ってください。新入生の皆さんが今日の喜びを忘れず、心身ともに健康で、有意義な高校生活を送ることを心から願って式辞といたします。

 

平成30年4月9日(月) 学校長  松永 泰 

平成30年度 1学期始業式式辞

 おはようございます。

本日より、平成30年度が始まりました。本校は、大正8(1919)年4月7日、愛媛県立西条農業学校として創立され、来年は、創立100周年を迎えます。この100年の間には、何回もの学科改編を経て、これまでの卒業生が17,390人にのぼる、西条地区に輝かしい歴史を刻む伝統校です。

 今年の重点努力目標を、「地域に愛され、地域を愛し、地域とともに歩む西農-100年分の感謝と新たな飛躍への挑戦-」としました。今年から、100周年の記念行事が行われますが、100周年にふさわしい校風を樹立できるかどうか、皆さんの活躍が問われる年でもあります。勉学や部活動はもちろん、校内外の生活や地域の諸活動に至るまで、一人一人が自覚と誇りをもって活躍してくれることを期待します。

 さて、今、最も輝いている若者の一人、大リーグのロサンジェルス・エンゼルスで、ピッチャーとバッターの二刀流で活躍している、大谷翔平選手を知っていると思います。大谷選手の今は、岩手県の花巻東高校時代の監督の指導方針にあるそうです。監督は「いかに時間をかけずに結果を出すか。そのために一番有効な教材となるのは失敗である。どんどん失敗しろ、失敗を成功につなげる選手は一流である。大切なのは、失敗した時に、今の自分のままでは、夢を実現する力がないと認識し、軌道修正すること」と言っています。

 みなさんだったら、失敗して、夢を実現する力がないと認識したらどうしますか?多くの人は、その時点で夢をあきらめてしまうのではないでしょうか。しかし、失敗したら監督の言われるように軌道修正をして、新たなアプローチの方法を探し出し、違うやり方で、再チャレンジすることが大切です。

 1年生で学習した「農業と環境」でのプロジェクト学習の方法を思い出してください。「プロジェクト学習は、農業問題や環境問題を掘り起こし、つねに次のプロジェクトの課題解決に向けた、新たな挑戦の繰り返しで進めていくことが大切である。」と教えていただいたと思います。これは、監督の言葉に通じるものがあると思います。

 本校の指導方針は、昨年に引き続き「積極的失敗を糧にして、主体性を育てる」です。皆さんが、新しいことや難しいことに果敢にチャレンジすることを恐れずに、そこで出会った積極的失敗を糧にして、自分自身の主体性をしっかりと身に付けていただくことをお願いし式辞といたします。

 

 平成30年4月9日(月) 学校長  松永 泰