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令和5年度 第3学期終業式あいさつ

2024年3月19日 14時52分

おはようございます。

3学期の終業式は、1年の締めくくりでもあります。

先ほど、表彰しました、優秀賞・皆勤賞を受賞された皆さん、おめでとうございます。来年度も続けてください。それ以外の皆さんも、誠実に学校生活を送ってください。

さて、終業式で、2つのことを話したいと思います。

「命を守ること」と「挑戦し続けること」という2点です。

一つ目の、「命を守ること」では、1月には能登半島地震が発生し、200人以上が死亡し、今も避難し続けている人がいます。近い将来発生すると言われている南海トラフ大地震の備えも必要です。そのような中、皆さんは、農業高校の授業や実習で、「命の大切さ」や「命を守る尊さ」を学んでいます。自分の命を守ることも大切ですが、家族や地域の人の命も守らなければなりません。

二つ目の「挑戦し続けること」ですが、120日にJAXAと、タカラトミー、ソニーグループ、同志社大学の4者で共同開発した変形型月面ロボット(LEV-2)が小型月面着陸実証機(SLIM)の撮影に成功し、LEV-2は超小型月面探査ローバー(LEV-1)と共に、日本初の月面探査ロボットとなり、世界初の完全自律ロボットによる月面探査、世界初の複数ロボットによる同時月面探査を達成しました。

タカラトミーの富山会長はコメントの中で、「創業百周年を迎えるこの記念の年に、生業(なりわい)である“おもちゃ”の技術が今回の偉業の一翼を担えたことを誇りとし、私たちはこれからも『アソビ発』の新たな挑戦を続けてまいります。」と述べています。

皆さんも、これから先の見えない社会を生き抜くために、自分の使命や課題解決のために挑戦し続けて、自分の進路を実現してください。

それでは、明日から春休みになりますが、「命を守ること」「挑戦し続けること」を心に留めて、健康に留意して、新年度、始業式をむかえてください。

では、皆さんの今後の御健勝・御多幸を祈念して、

「道」

「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば 道はなし

 踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる

 迷わず行けよ 行けばわかるさ」「いくぞー」

「1・23 ダ~

以上で、終わります。

 

校長室前は花盛り

2024年3月13日 08時47分

3月11日(月)生活デザイン科1年生のフラワーデザイン班の生徒が、フラワーアレンジメントの実習を行い、校長室前に展示してくれました。校長室前が、華やかな雰囲気に包まれました。ありがとうございました。

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令和5年度 卒業証書授与式 式辞

2024年3月1日 12時00分

本日、愛媛県議会議員 明比昭治様をはじめ、御来賓の皆様の御臨席を賜り、愛媛県立西条農業高等学校の卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生をはじめ教職員並びに在校生一同の大きな喜びであります。

 ただ今、卒業証書を授与された七十一名の皆さん、御卒業おめでとうございます。また、保護者の皆様に対しまして、心よりお喜びを申し上げます。

卒業される皆さんは、令和三年四月に入学されました。新型コロナウイルス感染拡大のため、学校行事の縮小や延期、中止などがあり、マスク越しにしか友達と過ごすことができませんでした。二年生では、予定どおりではなかったものの、十二月に北海道の修学旅行を実施することはできました。

そして、三年生になり、新型コロナウイルス感染症は五類へ移行されました。卒業生の皆さんは最高学年として、運動会、グループマッチ、四年ぶりの西条市産業祭などの学校行事を中心となって、一・二年生を引っ張って、成功に導いてくれました。その中で、自分の進路実現のため、面接や書類作成にも努力し、進路を決定しました。

卒業にあたり、二つのお願いがあります。

一つ目は、『命を大切にしてください。』現在も、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染症ははびこっており、気を抜くと集団感染のリスクは高くなっています。さらに、今年一月に発生した能登半島地震や航空機の事故と、いつ自然災害や事件・事故が起こるかわかりません。南海トラフ地震も近い将来発生すると言われています。その中で、卒業生の皆さんは、自分の命を守るとともに、家族や地域の人の命を守る責任があります。農業高校で学んだ生命を大切にする心や地域社会を守る役割で自分の命も他者の命も大切にしてください。

二つ目は、今年度の教育目標は、『Let’s Enjoy 西農(レッツ エンジョイ さいのう)』でした。これからは『Let’s Enjoy Your Life(レッツ エンジョイ ユアーライフ)』で皆さんの人生を楽しんでください。明日からは、西農の一員ではなく、自分の人生の主人公です。自分の人生を自分の身体と心で進んでいかなければなりません。さらに、十八歳成人ということで、皆さんのほとんどの人がすでに成人であり、成人としての責任と義務を持っています。西農で学んだ、知識と技術、学びに向かう力、思考力・判断力・表現力、ポジティブシンキングで様々な困難を乗り越えていってほしいと思います。

また、私事で恐縮ですが、私は一月に還暦を迎え、後三十日で役職定年となります。教諭・教頭・校長と十三年西農に勤務し、西農で校長を終わるのは何か縁を感じています。

結びに、卒業生の皆さん、本日まで温かく見守ってきた保護者の皆様や、創立以来、本校を育んでいただいた同窓生や地域の全ての方々への感謝を忘れることなく、自らが強く踏み出してください。そして、本校の校訓「創造」「誠実」「敬愛」の精神で、確固たる自分を築いてもらいたいと願っています。名残は尽きませんが、巣立ちゆく皆さんの御健勝・御多幸と一層の御活躍を心から祈念し、式辞といたします。

            令和六年三月一日       

            愛媛県立西条農業高等学校長 能田 秀樹

令和5年度 第3学期始業式あいさつ

2024年1月10日 07時57分

  おはようございます。今年もよろしくお願いします。

 冬休みはどう過ごしましたか。充実した17日間だったと推察します。

 1年の計は元旦にありと言われますが、皆さんは今年の目標を立てましたか。

 今年は、2024年、令和6年、甲辰(きのえたつ)年です。

甲(きのえ)は十干(じっかん)の最初に出てくるもので、甲冑(かっちゅう)の「甲」の文字から鎧や兜を連想させ、種子が厚い皮に守られて、芽を出さない状態や、物事に対して耐え忍ぶ状態を表す文字です。また、生命や物事の始まり、成長も意味します。

 辰(たつ)は「振るう」という文字に由来しており、自然万物が振動し、草木が成長して活力が旺盛になることを表します。辰は龍のことであり、十二支の中で唯一の空想上の生き物です。東洋では、権力・隆盛の象徴として親しまれていた龍は、身近な存在であったことから干支に選ばれたと言われています。

 この二つが合わさった甲辰の今年は、天まで届く勢いで上り調子で成長する、大きく飛躍する一年になることでしょう。

 3学期は、3年生にとっては卒業に向けて、1・2年生は進級に向けて、令和5年度の締めくくりの大切な学期です。皆さん、全員、目標をしっかり立てて、次のステップに向けて、大きく飛躍してください。

 

 

 

令和5年度 第2学期終業式あいさつ

2023年12月22日 11時05分

  みなさん おはようございます。

 今日で、2学期が終わります。2学期は、運動会、修学旅行、西条市産業祭、西農祭、など行事がたくさんあり、4年ぶりのものもありました。どの行事も、みなさんの知恵と工夫で充実したものになりました。

 学習のほうはどうでしょうか。2学期の成績を振り返ると、しっかり学習に取り組み、よい成果を上げた人、努力不足や提出物が不十分だったりして、補充学習を受ける人と様々ですが、高校生の本分は学習です。今学期の成績を反省して、3学期は学年末考査・卒業・進級を決定するためにも学習に尽力してください。

 部活動においても、吹奏楽部などの高文祭への参加など、運動部・文化部とも頑張っています。この冬でさらに、身体も心も鍛えてください。

 最近、各種活動、イベント等で、新聞やテレビに取材を受ける生徒も多くいます。自分の言葉で西農生として堂々と受け答えをしている姿を見て、安心しています。他の生徒も見習ってほしいと思います。

 結びに、みなさんが良い新年を迎えられるよう、感染症対策をしっかり行い、1月9日の始業式に元気にお会いましょう。

 以上で、終わります。

令和5年度 第2学期始業式あいさつ

2023年9月1日 10時19分

  おはようございます。

夏休みが終了して、今日から2学期がスタートします。まもなく就職試験も始まり、運動会、修学旅行、耐久競争歩大会、産業祭などの学校行事等も目白押しです。

 さて、この夏休み中に、皆さんの頑張っている姿を多く見ました。

商業部の四国大会、全国大会出場、農業クラブ各種発表県大会の意見発表、プロジェクト発表での立派な発表と成果、平板測量競技県大会の優秀賞、農業情報処理競技県大会の優秀賞、中学生1日体験入学での生徒の皆さんの中学生への案内や指導、野球部の今治工業に勝利した試合など、本当に頼もしく映るとともに、学習や活動の成果を多くの方々に知っていただくことに喜びを感じました。

それでは、西農生の皆さん、2学期を新たな意味あるスタートにしていきましょう。そして将来の自分をしっかりと見つめる学期にしてください。

さらに、いろいろな行事では、保護者をはじめ、地域の方々や中学生などとの交流もあります。「Let’s Enjoy 西農(さいのう)」で楽しむことはもちろんですが、熱中症や感染症対策を十分に行って、体調管理をお願いします。

部活動や農業クラブなどもいろいろな大会があります。日ごろの成果を十分発揮していい成績を期待しています。

また辛い思いをしている人を傷つけるようなことがないように、誠実な学校生活を送りましょう。自分の「いのち」も他人の「いのち」も大切にしてください。

西農生の誠実で、前向きな活動と成果に期待して、2学期の始業式のあいさつとします。

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令和5年度 1学期終業式あいさつ

2023年7月20日 12時24分

 おはようございます。

 ♪めだかの学校は 池の中 そっとのぞいて見てごらん 

 そっとのぞいて見てごらん   みんなでお遊戯しているよ♪

 唱歌「めだかの学校」の一番ですが、どこか間違いがあります。どこでしょう。

 そう「川の中」が正解です。

 今年度になってから、本館前庭の池を以前のような「コイが泳いでいる池」に再生しようといろいろと試行錯誤しています。カルキが出るので、竹炭や貝殻、溶岩石や麦飯石を入れ、スイレンを植え、ホテイアオイなどの水草も入れました。そして、試しに、金魚とめだかを入れました。現在までに、金魚160匹、メダカ80匹を入れて、金魚15匹、メダカ25匹が生存しています。「コイが泳いでいる池」になるのはまだまだ改善が必要です。

 では、冒頭の「めだかの学校」にちなんで、令和5年度の一学期を振り返り、反省を含めて、「西条農業高校はどのような学校ですか」という質問にどのように答えるか、考えてください。

 今年度の指導目標は先日のグループマッチの時にも申しましたが、「Let‘s Enjoy 西農(さいのう)」です。3年生は現在多くの人が、面接練習をしているので、尋ねられたかもしれませんが、隣近所の人と話し合っても構いませんので、これから1分間考えたり、話し合ってみてください。

 では、発表してもらいます。1年1組1番青木さん。

 「楽しくエンジョイできる学校」

 ありがとうございました。拍手

 次に、2年2組11番赤穂さん。

 「実習が楽しくできる学校」

 ありがとうございました。拍手。

 では、3年3組21番松本さん。

 「農業を楽しく学ぶことができる学校。理由は、先生が優しく教えてくれるからです。

 ありがとうございました。拍手。

 3年生のように「~です。理由は、~です。」と答えると好印象を与えます。

 いよいよ、明日からは、待ちに待った夏休みです。

 1学期を反省して、2学期に向けて、学習や実習、部活動、農業クラブ活動や家庭クラブ活動、そして普段できないボランティア活動や地域の行事や家庭の手伝いなどに尽力してください。

 熱中症や感染症、自然災害などに留意し、命を大切にしてください。自分の命も、友達の命も、家族や周りの人の命も大切にし、有意義な夏休みになることを祈っています。

 以上で、終業式のあいさつを終わります。

令和5年度 入学式式辞

2023年4月10日 15時45分

 

 武丈の桜も咲き誇り、野山に春の息吹を感じる今日の佳き日、御来賓、保護者の皆様の御臨席を賜り、令和五年度入学式を挙行できますことは、教職員一同の喜びであります。心よりお礼申し上げます。

 ただいま入学を許可しました、百名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本校は、大正八年に創立され、百年を超えた、輝かしい歴史と伝統を誇る県下でも屈指の農業高校です。

 本日より、伝統ある本校の生徒として勉強することになりました。

 今年度の教育目標は、「Let’s enjoy 西農」です。「非連続的」といえるほど急激に変化する社会を生き抜くため、皆さんの能力・適性、興味・関心等に応じた学びを通じて、多様な他者と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となっていくために必要な資質・能力を西農(さいのう)で身につけることが大切です。

 そこで、入学にあたり三つの話をします。

 一つ目は、「自分の夢や目標に向かって努力する」ことです。

 本校に入学したことは、皆さんのゴールではなく、次のステージへのスタートです。皆さんが本校で「何を学び」「何を身につけ」「何ができるようになったか」が大切です。皆さんに求められることは、自ら何をすべきかを考え、自らの責任で判断し、自らの言葉で表現し、物事に積極的に挑戦することです。本校での学びを通して、自分の将来の夢や目標を模索し、その実現に向けてひたむきに努力してください。

 二つ目は、「愛顔(えがお)あふれる言動をする」ことです。

 日本代表「侍ジャパン」の大谷翔平選手は、三月に行われたWBC準決勝で、一点を追う九回先頭で出塁し、ツーアウトの後、村上宗隆選手のサヨナラ打で生還。サードを回り、勝利を確信し、両手を広げ、満面の笑みでホームを駆け抜けました。決勝では、九回にクローザ―として登板し、最後の打者、エンゼルスの同僚、マイク・トラウト外野手を空振り三振に抑え、日本チームの優勝を決め、笑顔を爆発させました。

 皆さんも、勉強や部活動、農業実習など、苦しいことや思いどおりにならない時があるかもしれません、その時は愛顔で、道を切り拓いてください。愛媛県の合言葉も「愛顔(えがお)あふれる愛媛県」なのですから。

 三つ目に、「故郷を思う気持ちを持ち続ける」です。

 今年度の重点努力目標は「地域に愛され 地域を愛し 地域とともに歩む西農」です。皆さん一人一人は、地域の皆様、保護者の皆様、小中学校の先生方、その他多くの方々の支えがあって、本日を迎えることができました。今後も感謝の気持ちを忘れず、日々の学校生活を通して、様々な活動を行ってください。

 結びに、保護者の皆様、お子様の御入学おめでとうございます。私達、教職員一同、「入学してよかった」といわれる学校にしていきます。お互いに協力して、お子様の素晴らしい進路実現を目指しましょう。

 御出席のすべての皆様に、本校に対する御支援・御協力を賜りますよう、お願い申し上げ、式辞といたします。

 

                                          令和五年四月十日

                                   愛媛県立西条農業高等学校長 能田 秀樹 

令和5年度 第1学期始業式あいさつ

2023年4月10日 12時00分

 おはようございます。

 4月からNHK の連続テレビ小説「らんまん」が始まりました。高知県出身の「牧野富太郎」博士をモデルにしたドラマです。脚本を手掛けた長田育(おさだいく)恵(え)さんによると、

 「題材を問われ、真っ先に浮かんだのが牧野富太郎の大きな笑顔でした。世界規模での感染症流行の渦中、この先に広がる世界を思い描いたとき、もう少し優しい、一人一人の多様性が尊重される価値観が求められていくのではないかと想像したからです。

 富太郎は、ただひとつ特別な才能に恵まれていました。それは「ひたすら植物を愛すること」。子どものころに抱いた「好き」という感情が生涯を決定づけた、それこそ植物が太陽に向かって成長していくような生命力あふれる男です。彼が愛を注ぐ植物の世界は、どんな逆境でも絶滅を免れるため千差万別の多様性があります。彼は、多様性の価値を認め、それぞれの特性を等しく尊び、一生愛し続ける才能に恵まれていたのです。

 ですが時代のうねりの中、彼の生き方は簡単に理解を得られるものではありませんでした。そんな彼を支え、磨き抜いていったのが、鮮やかな出逢いの数々です。生涯で約1500種類以上の新種を発表し、約40万点以上の植物標本を残した富太郎。けれど、その足跡を見渡せば、富太郎という広場に集った人々こそが、花のように咲き誇っていることでしょう。

 富太郎をモデルに描く主人公、槙野万太郎。ありのままの生を見つめる明るい眼差しと、植物が光に向かうような生命力。そしてひたむきに何かを愛する心が、観てくださる方の「今日」を彩ることを願っています。」ということです。

 さて、今日から令和5年度1学期がスタートします。それぞれ2年生・3年生に進級し、今、どんな気持ちでしょうか?2年生は中堅学年として、3年生は最高学年として、今年度の目標や抱負を抱いていることでしょう。この1年間の目標は何でしょうか、勉強を頑張るとか、部活動で県総体や全国を目指す。農業クラブ活動で全国大会を目指すなど様々でしょう。令和5年度の教育目標を「Let’s enjoy 西農(さいのう)」としました。今の自分の目標に向かって西農で大きな花を咲かせてください。

 社会は「非連続」といえるほど急激に変化しています。この1年間、皆さんはどのようなドラマを経験するのでしょうか?メロドラマでしょうか、コメディー、ミステリー、ヒューマンでしょうか。皆さん一人一人がそれぞれのドラマの主人公です。皆さんの、能力・適性・興味関心に応じた学びの場所としてこの西条農業高校で、多様な他者と協働し、様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の作り手となっていくために必要な資質・能力を身につけていくよう期待します。

第3学期終業式 あいさつ

2023年3月23日 12時11分

おはようございます。

3学期の終業式は、1年の締めくくりでもあります。

先ほど、表彰しました、優秀賞・皆勤賞を受賞された皆さん、おめでとうございます。来年度も続けてください。それ以外の皆さんも、誠実に学校生活を送ってください。

さて、終業式で、2つのことを話したいと思います。

「命を守ること」と「アクティブラナーになる」という2点です。

一つ目の、「命を守ること」では、私事ですが、3月5日に娘に子どもが生まれ、本当のジジイになりました。先日、会いに行きましたが、生後5日の約3Kgの小さな命、小さな手足、か細い泣き声、一生懸命に見つめる小さな瞳、どれもかわいくて、何時間でも抱いていたいと思いました。みなさんも、生まれてすぐは、体重3kgで、身長も50cm足らずだったと思いますが、今、何倍になったでしょうか。16年・17年で体重も身長も、運動能力も、学習能力もしっかり成長しました。そこまで育ったのは、自分一人では無理です。保護者や周りの大人、学校の先生、地域の人など大勢の人の支援や協力によって、成長してきました。その命を大切にしてください。自分の命も他人の命も大切にしてください。世の中では、毎日悲しい事件がニュースで報道されます。「命は一つ」です。そのことをしっかり頭に入れていてください。

二つ目の「アクティブラナーになる」は、皆さんは進級して、2年生・3年生になります。この一年間の学習を反省して、自分の目標をしっかり立てて、その目標に向かって学習を進めてください。一人一人が目標に向かって、自分から積極的に学ぶこと、「アクティブラナー」として、地域の課題、世代の課題、世界の課題をわがものにして解決策を見出してください。そして、自分の進路を実現してください。

それでは、明日から春休みになりますが、「命を守ること」「アクティブラナーになる」を心に留めて、健康に留意して、新年度、始業式にお会いしましょう。

終わります。

令和3年度 入学式 式辞

 式辞  

 武丈の桜もはや葉桜、野山に春の息吹を感じる今日の佳き日に、保護者、ご来賓のご臨席を賜り、令和3年度入学式を挙行できますことは、教職員一同の喜びであります。心よりお礼申し上げます。ただ今入学を許可しました、85名の新入生の皆さん、入学おめでとう。高校生活への希望と期待、不安を胸に、今日の日を迎えたことでしょう。 

 さて、昨年は新型コロナウイルスに翻弄された年でした。今もなお感染は止みません。0.1㎛という極小の生き物がこれほど人の命や日常に影響を及ぼすとは、我々の誰が想像できたでしょう。

 明るいニュースを探し辛い年ではありました。ところがコロナとは対極に、昨年12月宇宙規模の壮大な出来事がありました。惑星探査機「はやぶさ2」が大きな仕事を成し遂げて地球に帰ってきました。あの歴史的快挙の瞬間を皆さんは覚えていますか。小惑星リュウグウに着陸し、タッチダウンとともに岩石のサンプルを回収したのです。なんと、地球から3億キロ、3年余りかけ、半径3mに着陸した「すご技」でした。もしリュウグウの岩石に有機物が存在すれば、生命誕生の謎が解明できる。その壮大なミッションに成功したのです。

 さて、この偉業は新入生に何を教えてくれるでしょう。3億キロの旅を振り返ると分かります。

 「はやぶさ」は、リュウグウ到着までの間、地球との交信を切れ目なく行い、言わばJAXAの指令通り飛行を続けました。しかしリュウグウ到着後41分間だけは自立飛行しました。なぜなら地球からの電波は片道20分かかります。障害物など、咄嗟の危険を感じてから地球の指示を受けたのでは到底間に合いません。

 そこで「はやぶさ」は、ミッション成功のために地球との交信を切り、まるで知能を持った生き物のように自らをコントロールしたのです。障害物を発見するとリボートと言って、緊急上昇もやってのけました。リュウグウの表面は凹凸、唯一見つけた着地点の直径は6m、はやぶさの直径も6m。この困難に、なんと自らの機体を斜めに傾け、そしてタッチ&ゴー。見事、岩石を回収したのです。

 すなわち、JAXAからの信号に素直に従うこと、そしていざという時、自分で判断しチャレンジすること、そのふたつをもってミッションを成し遂げたのです。

 皆さんはこれまで先生方から知識や技術を学んできました。WITHコロナの高校生活でもそれは変わりません。しかし、今後は先生方のご指導には、中学校生活に増して素直であること、自らを厳しく鍛える場をもつこと、さらには、自分で考え正しく判断し、挑戦できることも必要です。

 「ハヤブサ2」はすでに、新たなミッションを得て、再び宇宙に飛び立ちました。皆さんは、今日、将来の目標を明確にして、ぶれることなく高校生活のミッションを果たさねばなりません。

 結びに、保護者の皆様。お子様の入学おめでとうございます。本日お子様をお預かりします。ハヤブサのように、しっかり教え導く場面と自立を促す場面を、教職員は誠実に指導して参ります。保護者の皆様におかれましては、過保護、過干渉にならず、ましてや自由、放任にならず、日々お子様との望ましい距離を、学校と連携する中で確め、お子様のミッションが果たせますよう、そして3年後、逞しい巣立ちが訪れますようご協力をお願い申し上げます。

 ご出席のすべての皆様に、本校に対するご支援とご鞭撻を引き続き賜りますよう、お願い申し上げて式辞といたします。

 

                            令和三年 四月八日

                                 愛媛県立西条農業高等学校長 久保浩治

令和3年度 始業式式辞

式辞 

 令和3年度がスタートします。春休みはどんな風に過ごしましたか。先月の終業式では「誠実な生活をおくりましょう」とお願いしました。春休みの課題、部活動、実習、また家族や友人に対して、誠実で充実した20日間だったと思っています。

 コロナウイルスにも誠実に恐れた生活だったと思います。残念ながら感染は止まず、今や第4波に突入したと言わざるを得ません。愛媛県全域で、明日から感染対策期、引き続き3密を避けた学校生活になります。 この後、本来なら校歌斉唱、高らかに校歌を歌うところですが声は出せません。校歌演奏です。心で歌うことになりますが、これを機会に、歌詞の意味を深く理解しましょう。 

 皆さんから向かって右側に掲げられている歌詞を御覧なさい。

 「石鎚と望み高く」で始まります。どう捉えますか。石鎚山は標高1982m、西日本最高峰、神が宿るともいわれる霊峰です。望みとはもちろん、生徒の皆さん自身の希望のことであり、学校生活と進路目標への理想と解釈できます。

 石鎚山のように気高い自分自身の理想、昨日までの自分を超えた目標を1年のスタートに当たりしっかりと掲げましょう。 

 続く歌詞は「加茂川と心清く」も同様です。加茂川は全長は28km、石鎚山系を源流に、雄大に蛇行し禎瑞を経て燧灘に注ぎます。名水「うちぬき」の水源となっており、西条を育んでいる「母なる川」とも表現されます。清く澄んだ流れはたくましくも純真な西農生の心根です。

 始業式にあたり、西農生には、この歌詞のように学校生活に確かな居場所を求め、やりがいを確かめ、1年後、2年後の進路の実現にむけて、その理想を高く掲げてください。そしてその土台となるものは、やはり何事にも素直で誠実な心、自分を大事にし、他人を敬う心です。

「石鎚と望高く 加茂川と心清く」

 緑輝くこの道前平野、みんなの生活を支えるこの地に、昨年同様、いえ昨年以上に西農生の生き生きした、すがすがしい命が躍動することを願っています。当面の間は、WITHコロナとなりますが、与えられた条件の中で、新入生の見本となる充実した学校生活がスタートすることを期待して、短く式辞とします。