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令和5年度 入学式式辞

2023年4月10日 15時45分

 

 武丈の桜も咲き誇り、野山に春の息吹を感じる今日の佳き日、御来賓、保護者の皆様の御臨席を賜り、令和五年度入学式を挙行できますことは、教職員一同の喜びであります。心よりお礼申し上げます。

 ただいま入学を許可しました、百名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。本校は、大正八年に創立され、百年を超えた、輝かしい歴史と伝統を誇る県下でも屈指の農業高校です。

 本日より、伝統ある本校の生徒として勉強することになりました。

 今年度の教育目標は、「Let’s enjoy 西農」です。「非連続的」といえるほど急激に変化する社会を生き抜くため、皆さんの能力・適性、興味・関心等に応じた学びを通じて、多様な他者と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となっていくために必要な資質・能力を西農(さいのう)で身につけることが大切です。

 そこで、入学にあたり三つの話をします。

 一つ目は、「自分の夢や目標に向かって努力する」ことです。

 本校に入学したことは、皆さんのゴールではなく、次のステージへのスタートです。皆さんが本校で「何を学び」「何を身につけ」「何ができるようになったか」が大切です。皆さんに求められることは、自ら何をすべきかを考え、自らの責任で判断し、自らの言葉で表現し、物事に積極的に挑戦することです。本校での学びを通して、自分の将来の夢や目標を模索し、その実現に向けてひたむきに努力してください。

 二つ目は、「愛顔(えがお)あふれる言動をする」ことです。

 日本代表「侍ジャパン」の大谷翔平選手は、三月に行われたWBC準決勝で、一点を追う九回先頭で出塁し、ツーアウトの後、村上宗隆選手のサヨナラ打で生還。サードを回り、勝利を確信し、両手を広げ、満面の笑みでホームを駆け抜けました。決勝では、九回にクローザ―として登板し、最後の打者、エンゼルスの同僚、マイク・トラウト外野手を空振り三振に抑え、日本チームの優勝を決め、笑顔を爆発させました。

 皆さんも、勉強や部活動、農業実習など、苦しいことや思いどおりにならない時があるかもしれません、その時は愛顔で、道を切り拓いてください。愛媛県の合言葉も「愛顔(えがお)あふれる愛媛県」なのですから。

 三つ目に、「故郷を思う気持ちを持ち続ける」です。

 今年度の重点努力目標は「地域に愛され 地域を愛し 地域とともに歩む西農」です。皆さん一人一人は、地域の皆様、保護者の皆様、小中学校の先生方、その他多くの方々の支えがあって、本日を迎えることができました。今後も感謝の気持ちを忘れず、日々の学校生活を通して、様々な活動を行ってください。

 結びに、保護者の皆様、お子様の御入学おめでとうございます。私達、教職員一同、「入学してよかった」といわれる学校にしていきます。お互いに協力して、お子様の素晴らしい進路実現を目指しましょう。

 御出席のすべての皆様に、本校に対する御支援・御協力を賜りますよう、お願い申し上げ、式辞といたします。

 

                                          令和五年四月十日

                                   愛媛県立西条農業高等学校長 能田 秀樹 

令和3年度 入学式 式辞

 式辞  

 武丈の桜もはや葉桜、野山に春の息吹を感じる今日の佳き日に、保護者、ご来賓のご臨席を賜り、令和3年度入学式を挙行できますことは、教職員一同の喜びであります。心よりお礼申し上げます。ただ今入学を許可しました、85名の新入生の皆さん、入学おめでとう。高校生活への希望と期待、不安を胸に、今日の日を迎えたことでしょう。 

 さて、昨年は新型コロナウイルスに翻弄された年でした。今もなお感染は止みません。0.1㎛という極小の生き物がこれほど人の命や日常に影響を及ぼすとは、我々の誰が想像できたでしょう。

 明るいニュースを探し辛い年ではありました。ところがコロナとは対極に、昨年12月宇宙規模の壮大な出来事がありました。惑星探査機「はやぶさ2」が大きな仕事を成し遂げて地球に帰ってきました。あの歴史的快挙の瞬間を皆さんは覚えていますか。小惑星リュウグウに着陸し、タッチダウンとともに岩石のサンプルを回収したのです。なんと、地球から3億キロ、3年余りかけ、半径3mに着陸した「すご技」でした。もしリュウグウの岩石に有機物が存在すれば、生命誕生の謎が解明できる。その壮大なミッションに成功したのです。

 さて、この偉業は新入生に何を教えてくれるでしょう。3億キロの旅を振り返ると分かります。

 「はやぶさ」は、リュウグウ到着までの間、地球との交信を切れ目なく行い、言わばJAXAの指令通り飛行を続けました。しかしリュウグウ到着後41分間だけは自立飛行しました。なぜなら地球からの電波は片道20分かかります。障害物など、咄嗟の危険を感じてから地球の指示を受けたのでは到底間に合いません。

 そこで「はやぶさ」は、ミッション成功のために地球との交信を切り、まるで知能を持った生き物のように自らをコントロールしたのです。障害物を発見するとリボートと言って、緊急上昇もやってのけました。リュウグウの表面は凹凸、唯一見つけた着地点の直径は6m、はやぶさの直径も6m。この困難に、なんと自らの機体を斜めに傾け、そしてタッチ&ゴー。見事、岩石を回収したのです。

 すなわち、JAXAからの信号に素直に従うこと、そしていざという時、自分で判断しチャレンジすること、そのふたつをもってミッションを成し遂げたのです。

 皆さんはこれまで先生方から知識や技術を学んできました。WITHコロナの高校生活でもそれは変わりません。しかし、今後は先生方のご指導には、中学校生活に増して素直であること、自らを厳しく鍛える場をもつこと、さらには、自分で考え正しく判断し、挑戦できることも必要です。

 「ハヤブサ2」はすでに、新たなミッションを得て、再び宇宙に飛び立ちました。皆さんは、今日、将来の目標を明確にして、ぶれることなく高校生活のミッションを果たさねばなりません。

 結びに、保護者の皆様。お子様の入学おめでとうございます。本日お子様をお預かりします。ハヤブサのように、しっかり教え導く場面と自立を促す場面を、教職員は誠実に指導して参ります。保護者の皆様におかれましては、過保護、過干渉にならず、ましてや自由、放任にならず、日々お子様との望ましい距離を、学校と連携する中で確め、お子様のミッションが果たせますよう、そして3年後、逞しい巣立ちが訪れますようご協力をお願い申し上げます。

 ご出席のすべての皆様に、本校に対するご支援とご鞭撻を引き続き賜りますよう、お願い申し上げて式辞といたします。

 

                            令和三年 四月八日

                                 愛媛県立西条農業高等学校長 久保浩治

令和3年度 始業式式辞

式辞 

 令和3年度がスタートします。春休みはどんな風に過ごしましたか。先月の終業式では「誠実な生活をおくりましょう」とお願いしました。春休みの課題、部活動、実習、また家族や友人に対して、誠実で充実した20日間だったと思っています。

 コロナウイルスにも誠実に恐れた生活だったと思います。残念ながら感染は止まず、今や第4波に突入したと言わざるを得ません。愛媛県全域で、明日から感染対策期、引き続き3密を避けた学校生活になります。 この後、本来なら校歌斉唱、高らかに校歌を歌うところですが声は出せません。校歌演奏です。心で歌うことになりますが、これを機会に、歌詞の意味を深く理解しましょう。 

 皆さんから向かって右側に掲げられている歌詞を御覧なさい。

 「石鎚と望み高く」で始まります。どう捉えますか。石鎚山は標高1982m、西日本最高峰、神が宿るともいわれる霊峰です。望みとはもちろん、生徒の皆さん自身の希望のことであり、学校生活と進路目標への理想と解釈できます。

 石鎚山のように気高い自分自身の理想、昨日までの自分を超えた目標を1年のスタートに当たりしっかりと掲げましょう。 

 続く歌詞は「加茂川と心清く」も同様です。加茂川は全長は28km、石鎚山系を源流に、雄大に蛇行し禎瑞を経て燧灘に注ぎます。名水「うちぬき」の水源となっており、西条を育んでいる「母なる川」とも表現されます。清く澄んだ流れはたくましくも純真な西農生の心根です。

 始業式にあたり、西農生には、この歌詞のように学校生活に確かな居場所を求め、やりがいを確かめ、1年後、2年後の進路の実現にむけて、その理想を高く掲げてください。そしてその土台となるものは、やはり何事にも素直で誠実な心、自分を大事にし、他人を敬う心です。

「石鎚と望高く 加茂川と心清く」

 緑輝くこの道前平野、みんなの生活を支えるこの地に、昨年同様、いえ昨年以上に西農生の生き生きした、すがすがしい命が躍動することを願っています。当面の間は、WITHコロナとなりますが、与えられた条件の中で、新入生の見本となる充実した学校生活がスタートすることを期待して、短く式辞とします。