探究する心
2026年3月4日 10時32分本校では、1年次に、「総合的な探究の時間」、3年時には、「課題研究」が設けられている。
私は、農業の教員である。
東京農業大学初代学長、横井時敬先生は、優良な種もみを選別する「塩水選」を考案し、稲作収穫増へ大きく貢献した。実学主義に根ざした教育の基礎を築き、「稲のことは、稲に聞け、農業のことは、農民に聞け」という言葉を残した。
机上の理論ではなく、その物、現場で、自らの五感を駆使して、課題を見つけ、その課題がなぜ起きるのか。自ら考え、科学的に実証することは、いつの時代も求められていることではないだろうか。
横井先生が残された取組の一つが、中身が詰まった種もみを選ぶ方法、「塩水選」である。
「塩水選」とは、塩水の中に入れると、重いもみは沈む。浮き上がった軽いもみを取り除き、底に沈んだ重いもみを種もみとする方法である。
塩水を使うのは、真水よりも、差が出やすいためである。
また、もう一つ愛媛県内の、ある学校の例を挙げてみたい。
当時、園芸の世界では、挿し木は当たり前のように用いられていた技術だが、樹木においては、挿し木は難しく、不可能であると考えられていた。
ちなみに、挿し木とは、苗木を増やす方法の1つ。枝を切って土に挿すことで、切り口から発根して新しい苗木を育てる方法である。挿し木のメリットは、親木の性質を受け継いだまま、数を増やせる点だが、実生の場合は、同じ性質になるとは限らない。
この技術を作り上げた当時の先生・生徒は、園芸の世界でできるのだから、樹木でもきっとできるはずと考え、試行錯誤の末、苗木育成の道を切り開いた。久万高原町内の山という山を歩き回り、見事に成長したヒノキを見つけ出し、苗木増殖に奔走し、見事に育て上げた。
自ら課題を見つけ、探究し、自分の言葉で表現する一連の流れを、ぜひ、高校生活の中で身に付けてほしい。