産業技術総合研究所の堀江先生との連携
2025年9月30日 10時48分香川県の産業技術研究所の堀江先生が来校されました。今年度から連携を行い、黒茶の糸状菌と発酵時における菌の優位性研究を行っています。
石鎚黒茶とは?
西条市の伝統である「石鎚黒茶の製造技術」は、平成30年、四国山地の発酵茶の製造技術として、食文化で初めて「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されました。そして令和5年、国の「重要無形民俗文化財」に指定されました。
石鎚黒茶はここ西条市に伝わる伝統のお茶です。江戸時代より昔、各家庭で製造されていました。販売されたり、お遍路さんのおもてなしに使われたお接待のお茶でした。しかし、最後の伝承者となった曽我部さんの遺志を引き継ぎ、現在、製造を行う団体はわずか3団体のみ。幻のお茶となっています。このままでは大切な伝統文化が無くなってしまう可能性が出てきているのです。
お茶は、大きく分けて不発酵茶と発酵茶の2つに分類されます。不発酵茶とは緑茶です。この発酵茶の中には半発酵茶のウーロン茶、全発酵茶にあたる紅茶があります。紅茶は一段発酵ですから、石鎚黒茶は、世界でも類を見ない希少なお茶となります。
石鎚黒茶SELプロジェクト
私たちSELプロジェクトチームは、平成30年、当時の先輩方が研究活動を開始したことが始まりです。私たちの目標は石鎚黒茶をつないでいくため、生産団体の方々をさまざまなアプローチの仕方で支援していくことです。そのため製造から商品開発、普及活動を展開しています。
SELとは、2つの意味を持ちます。一つは、「Saino Expert Laboratory」西条農高の優れた研究活動チームという意味です。もう一つは、西条農高の3学科合同研究チームという意味で「食農科学科」「環境工学科」「生活デザイン科」のそれぞれの頭文字を意味します。地域の伝統文化を伝承するため活動しています。
香川県の産業技術研究所の堀江先生が来校されました。今年度から連携を行い、黒茶の糸状菌と発酵時における菌の優位性研究を行っています。
二次発酵が終わり、最後の黒茶作業に。発行したお茶を天日干しです。紫外線に当てることで黒くなります。乾くと黒茶の完成となります。
揉み作業が終われば、二次発酵に入ります。空気を抜きながら発酵させます。一次発酵で増殖した糸状菌をエサにして乳酸菌が発酵するということになります。ここから1か月程度発酵期間に入ります。
一次発酵後の枝葉をもみ込み、葉に傷をつけながら、菌をいきわたらせます。
できた枝葉を桶に入れ、発酵室に移動させます。1週間から10日程度の発酵を行います。本校の農場にある発酵室は、発酵を促進させるため蒸し作業で出た枝葉を一緒に保管し、空気中の菌量を増加させる工夫を行っています。
洗浄の後は、蒸し作業です。枝ごと蒸し上げます。その後、大きな枝を取り除き、打ち水を行います。
7月、ピースさんとの作業に参加。蒸し作業の前に枝を切りそろえ、実の除去や洗浄の作業を行いました。
香川県より、産業技術総合研究所の堀江先生が来校され、黒茶研究についての連携と情報共有が始まりました。これまでの先生の研究内容のお話を伺いました。専門的な分析や菌研究について、今後さらに研究を深めます!
えひめコープ束本店にて、健康機能性食品についての愛媛大学菅原先生の講演会に参加しました。石鎚黒茶の試飲会を実施。初めて石鎚黒茶を飲むという松山の方にも喜んでいただきました!3年生にとっては最後の地域普及活動となり、良い機会となりました。
農業クラブ連盟主催 令和6年度第2回各種発表県大会において石鎚黒茶SELプロジェクトの研究発表が最優秀賞に選ばれました!頑張ってきた成果が形となりチームメンバーも連携団体も喜んでくれました!